衛生管理者:製造業における事業場の有害業務や譲渡の制限について徹底解説!定期自主検査と製造等の禁止・製造許可も!

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本記事では、5年以上も衛生管理者試験1種・2種の研究をしている衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者試験の出題範囲に含まれている製造業における事業場の有害業務や譲渡の制限を取り上げます。

定期自主検査と製造等の禁止・製造許可も合わせて解説しているので、衛生管理者試験を受験予定の人はぜひ最後までお読みください。

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製造業の事業場の有害業務の要点まとめと概要

■有害業務の種類等

業務の内容専任の衛生管理者衛生工学衛生管理者専属の産業医時間外労働1日2時間限度
安衛則7条1項5号ロ安衛則7条1項6号安衛則13条労基則18条
1:多量の高熱物体を取り扱う業務
2:多量の低温物体を取り扱う業務×
3:エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
4:土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
5:異常気圧下における業務
6:さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務×
7:重量物の取扱い等重激な業務×
8:ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務×
9:坑内における業務
10:深夜業を含む業務×××
11:水銀、砒素、黄りん、青酸等を取り扱う業務×××
12:鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、青酸、ベンゼン等のガス・蒸気・粉じんを発散する場所における業務
13:病原体によって汚染のおそれが著しい業務×××
14:その他厚生労働大臣が定める業務

衛生管理者の選任数

衛生管理者の数は、常時使用する労働者数による事業規模により、次のとおりである(則7条1項4号)。

常時使用する労働者衛生管理者の数
50人~200人
201人~500人
501人~1,000人
1,001人~2,000人
2,001人~3,000人
3,001人以上
1人以上
2人以上
3人以上
4人以上
5人以上
6人以上

専属の衛生管理者の選任

衛生管理者はその事業場に専属する者を選任しなければならない。ただし、2人以上選任する場合において、その中に労働衛生コンサルタントがいる場合は、当該コンサルタント1人については専属の者ではなくてよい(則7条1項2号)。

※「労働衛生コンサルタントと衛生管理者の違いをわかりやすく解説!試験免除はある?」もぜひ合わせてご覧ください。

専任の衛生管理者を必要とする事業場

専任の衛生管理者を必要とする事業場は

①常時1,001人以上の労働者を使用する事業場、又は

②常時501人以上の労働者を使用する事業場で、一定有害業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの、である(則7条1項5号)。

※一定有害業務には、「多量の高熱物体を取り扱う業務」「多量の低温物体を取り扱う業務」が含まれる(要点まとめ参照)。

衛生工学衛生管理者を必要とする事業場

衛生工学衛生管理者を必要とする事業場は、常時501人以上の労働者を使用する事業場で、一定有害業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの、である。

※この場合の一定有害業務には、「多量の高熱物体を取り扱う業務」は含まれるが、「多量の低温物体を取り扱う業務」は含まれない(要点まとめ参照)。

専属の産業医を必要とする事業場

専属の産業医を必要とする事業場は、

①常時1,000人以上(1,001人ではない)の労働者を使用する事業場、又は

②一定有害業務に常時500人以上(501人ではない)の労働者を従事させるもの、である(則13条1項3号)。

※この場合の一定有害業務には、「多量の高熱物体を取り扱う業務」「多量の低温物体を取り扱う業務」「深夜業を含む業務」が含まれる。

定期巡視

衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備・作業方法・衛生状態に有害なおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置をとらなければならない(則11条)。

産業医の場合は少なくとも毎月1回以上作業場を巡視することが義務づけられている。ただし、一定の情報提供がある場合は、2か月に1回でもよい(則15条)。

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譲渡等の制限等の要点まとめと概要

■譲渡等制限対象の主な装置・器具等

(1)型式検定の対象となる主なもの(安衛法別表第2関係、令14条の2)

1:防じんマスク(ろ過材及び面体を有するもの)

2:防毒マスク(一酸化炭素用、亜硫酸ガス用、アンモニア用など)

3:交流アーク溶接機用自動電撃防止装置

4:絶縁用保護具

5:絶縁用防具

6:保護帽

7:電動ファン付き呼吸用保護具

(2)規格制限・安全装置具備のもの(安衛令13条関係)

1:アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置の安全器

2:直流750ボルト(交流600ボルト)を超える充電電路に用いられる活線作業用装置

3:直流750ボルト(交流300ボルト)を超える充電電路に用いられる活線作業用器具

4:対地電圧が50ボルトを超える充電電路に用いられる絶縁用防護具

5:再圧室

6:潜水器

7:定格管電圧が10キロボルト以上の工業用エックス線装置

8:工業用ガンマ線照射装置

9:墜落制止用器具

10:排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー

譲渡等の制限等とは

特定機械等以外の機械等で、(1)安衛法別表第2に掲げるもの(個別検定含む計16機種及び別表第4の型式検定対象機種が含まれる)等、(2)危険な場所において使用するもの又は危険もしくは健康障害を防止するため使用するもののうち政令で定めるもの(令13条で定める計34機種)は、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備していなければ譲渡、貸与、設置してはならない(42条)。

厚生労働大臣が定める規格

対象となるそれぞれの機械等の使用目的や安全性確保の観点から個別に規格が定められている。

潜水器の場合、①面ガラス視界が90度以上のもの、②面ガラス以外ののぞき窓には窓ガラスを保護するための金属製格子などが取り付けられていること、③送気管の取付部に逆止弁が設けられていること、という規格が定められている。

対象となる機械等

譲渡等の制限等の対象となる機械等には、危険な作業を必要とするもの(動力プレス機械、フォークリフト等)、有害な作業を必要とするもの(防爆構造電気機械器具)、危険又は健康障害を防止するために使用するもの(プレス機械又はシャーの安全装置、再圧室など)がある。次の(1)が16種、(2)が34種定められている。

そのうち、衛生関係の主なものは、下記のとおりである。

(1)安衛法別表第2に掲げるもの

1:防じんマスク

2:防毒マスク

3:交流アーク溶接機用自動電撃防止装置

4:絶縁用保護具

5:絶縁用防具

6:保護帽

7:電動ファン付き呼吸用保護具

(2)政令で定めるもの

1:再圧室

2:潜水器

3:工業用ガンマ線照射装置

4:墜落制止用器具

5:排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー

対象ではない機械等

次のものは譲渡等の制限等の対象となっていない。

(a)化学防護服

(b)防振手袋

(c)聴覚(防音)保護具

(d)送気マスク

(e)放射線測定器

定期自主検査等の要点まとめと概要

1:定期自主検査の実施間隔は原則1年以内であるが、特化則による特定化学設備等の検査は2年以内である。

2:電離則によるガンマ線照射装置の自主検査は1か月以内ごとに行わなければならないが、線源容器の遮へい能力の異常の有無検査については6か月以内ごとでよい。

■定期自主検査

規則対象装置等実施間隔保存期間
有機則
20~21条
局所排気装置
プッシュプル型換気装置
1年以内3年間
鉛則
35・36条
局所排気装置、プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内3年間
特化則
29~32条
局所排気装置、プッシュプル型換気装置
除じん装置
排ガス処理装置
排液処理装置
1年以内3年間
特定化学設備等2年以内3年間
電離則18条の5~18条の7ガンマ線照射装置1か月以内(注)3年間
粉じん則
17・18条
局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内3年間
石綿則
21・23条
局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内3年間

※線源容器の遮へい能力の異常の有無検査については6か月以内。

対象

事業者は、ボイラーその他の機械等で政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより定期に自主検査を行い、その結果を記録しておかなければならない(45条1項)。

政令で定めるもの

「政令で定めるもの」とは、衛生関係では、次の装置等である(令15条1項)。

1:局所排気装置、プッシュプル型換気装置

※全体換気装置は対象ではない(有機溶剤に関しては、第1種有機溶剤又は第2種有機溶剤を取り扱う作業場が対象で、第3種有機溶剤を取り扱う作業場は対象外)

2:除じん装置

3:排ガス処理装置

※一酸化炭素を含有する気体は対象ではない(弗化水素、硫化水素などのガス・蒸気を含有する気体を排出する製造設備の排気筒が対象)

4:排液処理装置

※アンモニアを処理する排液処理装置は対象外(塩酸・硝酸・硫酸・シアン化カリウム・シアン化ナトリウムなどを処理する装置が対象)

5:特定化学設備及びその附属設備

6:ガンマ線照射装置

※木材加工用丸のこ盤を使用する作業場は、対象作業場ではない。

定期自主検査を行う者

定期自主検査を行う者は、建設機械等については一定の資格を有する者又は検査業者でなければならないが(特定自主検査)、衛生関係の局所排気装置の検査については、「局所排気装置の定期自主検査指針」に基づいて行えばよく、検査者の資格は問われない。

実施の時期

定期自主検査は原則として、1年以内ごとに1回、定期に行わなければならない。ただし、特手化学設備等については2年以内ごとに(特化則31条)、ガンマ線照射装置については1か月以内ごとに(電離則18条の5)行わなければならない。

記録の保存

定期自主検査を行ったときは、一定の事項を記録し、原則として3年間保存しなければならない。

補修

局所排気装置及びプッシュプル型換気装置の自主検査又は点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない(有機則23条、鉛則38条、特化則35条、粉じん則21条)。排ガス処理装置、排液処理装置及び除じん装置についても、局所排気装置等に準じた補修規定が定められている。

製造等の禁止及び製造許可の要点まとめと概要

1:製造等禁止物質は全部で9物質、製造許可物質は全部で8物質あり、そのいずれもが重要である。

2:製造等禁止物質であっても、試験研究のため製造、輸入又は使用する場合は認められる。

■有害物に関する規制

<製造に関する規制>

・製造等の禁止(55条)→黄りんマッチ、ベンジジン等計9物質(令16条1項)

・製造の許可(56条)→ジクロルベンジジン、ベリリウム等計8物質(特定化学物質第1類物質、令17条)、石綿分析用試料等

<表示・通知等(57条、57条の2)>

ベンゼン等計600を超える物質(令18条、18条の2)

<有害性の調査(57条の3~57条の5)>

既存の化学物質として政令で定める化学物質以外の化学物質(新規化学物質等)

概要

製造等禁止物質は、最も有害性の強い物質で、労働者に重度の障害を生じさせるため製造等が禁止されている。

製造許可物質は、製造等禁止物質に次いで有害性が強く、これを製造するには厚生労働大臣の許可を受けた上で、労働衛生上厳しい制約を受ける。

製造等禁止物質

黄りんマッチ、ベンジジン、ベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずる物で政令で定めるもの(※)は、製造、輸入、譲渡、提供又は使用してはならない。ただし、試験研究のため製造、輸入又は使用する場合で政令で定める要件に該当するときは、この規定を適用しない(55条)。

※上記の有害物質で「政令で定めるもの」とは、次の物質である(令16条1項)。

1:黄りんマッチ

2:ベンジジン及びその塩

3:四-アミノジフェニル及びその塩

4:石綿(分析用試料に供されるもの等を除く)

5:四-ニトロジフェニル及びその塩

6:ビス(クロロメチル)エーテル

7:ベータ-ナフチルアミン及びその塩

8:ベンゼン(容量5%超)を含有するゴムのり

9:2、3、5~7の物質をその重量比1%を超えて含有する製剤、4をその重量比0.1%を超えて含有する製剤その他の物

製造許可物質

ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの(※)を製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受けなければならない(56条1項)。

※上記の「政令で定めるもの」とは、特定化学物質の第1類物質で、次の8物質及び石綿分析用試料等である(令17条、令別表第3第1号)。

1:ジクロルベンジジン及びその塩

2:アルファ-ナフチルアミン及びその塩

3:塩素化ビフェニル(PCB)

4:オルト-トリジン及びその塩

5:ジアニシジン及びその塩

6:ベリリウム及びその化合物

7:ベンゾトリクロリド

8:1~6までに掲げる物を重量比1%を超えて含有し、又は7に掲げる物を重量比0.5%を超えて含有する製剤その他の物(合金にあってはベリリウムを重量比3%を超えて含有するものに限る)。

以上

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