衛生管理者における呼吸用保護具と聴覚(防音)保護具・防熱衣とは?どんな場面で着用する?

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本記事では、日本トップクラスに衛生管理者試験1種・2種を熟知している衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者の呼吸用保護具と聴覚(防音)保護具・防熱衣とは何かについて解説します。

どんな場面で着用するのか?は非常に重要な知識なので、衛生管理者試験を受験予定の人は必ずチェックしておきましょう。

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呼吸用保護具の要点まとめと概要

1:ろ過式の呼吸用保護具は、酸素欠乏危険場所(酸素濃度18%未満)では使用してはならない。

2:防毒ガスの吸収缶は、対応可能なガスごとに色別された適切なものを使用する。

3:高濃度の汚染の作業場等では防毒マスクは使用不適である。

4:型式検定合格標章のある防じんマスクであれば、ヒュームのような微細な粒子には有効である。

■防毒マスク 主な吸収缶の区分

吸収缶の区分
①ハロゲンガス用灰/黒
②有機ガス用
③一酸化炭素用
④アンモニア用
⑤亜硫酸ガス用黄赤
⑥硫化水素用

・上表の他、シアン化水素用は青、臭化メチル用は茶、ホルムアルデヒド・エチレンオキシド・メタノール・リン化水素用は共通のオリーブで色別している。

・防じん機能を有する防毒マスクにあっては、吸収缶のろ過材がある部分に白線を入れる。

■保護具・面体の適正な着用

①タオル等を挟んで使用しない。

②着用者のひげ、もみあげ、前髪等が入り込まない等。

③しめひもを耳にかけたり、ヘルメットの上から使用せず、後頭部で固定させる。

■ろ過式呼吸用保護具の譲渡制限等

防じんマスク、防毒マスク(上表①~⑤)、電動ファン付き呼吸用保護具(防じん用、防毒用)は上の表①②④⑤)は型式検定に合格・合格標章のあるもの、及びその他の保護具で厚生労働大臣が定める規格又は安全装置があるものは譲渡等の制限がある。送気マスクや空気呼吸器等はその対象ではない。

呼吸用保護具の種類

呼吸用保護具は、構造上「給気式」と「ろ過式」に区分されている。

酸素欠乏危険場所(濃度18%未満)においては、「給気式」の自給式呼吸器(空気呼吸器、酸素呼吸器)又は送気マスクを使用する。「ろ過式」の防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具は使用してはならない。

呼吸用保護具の性能

有害業務や作業場では、健康障害を防止するため、それぞれに適合した呼吸用保護具の使用が義務づけられている。

(1)防じんマスク

・粒子物質をフィルターで除去するが、通気抵抗は、防毒マスクに比べて小さい。

・「使い捨て式」は、付着した粉じんが再飛散しないように袋詰等して破棄する。有害性の高い物質を取り扱う作業では「取替え式」を選択する。

(2)防毒マスク

・空気中の有害ガス・蒸気を、色別標記(要点まとめ参照)された吸収缶で除去する。

・吸収缶は、温度又は湿度が高いほど破過時間(吸収缶が除毒能力を喪失するまでの時間)が短くなる傾向がある。

(3)電動ファン付き呼吸用保護具

・フィルターで有害物質を除去した清浄空気を電動ファンで給気する。

・「防じん機能を有するもの(略称P-PAPR)」と、有害なガスや蒸気に対して①ハロゲンガス用、②有機ガス用、③アンモニア用、④亜硫酸ガス用の「防毒機能を有するもの(略称G-PAPR)」がある。

・「ろ過式」に分類され、酸素供給の機能はないため、酸素欠乏18%未満の環境では使用できない。

(4)送気マスク

清浄空気をパイプやホースで給気する。

ホースマスクは大気を、エアラインマスクは圧縮空気を空気源とする。

(5)自給式呼吸器

空気源をボンベに詰めた空気呼吸器と高圧酸素容器から酸素を送る酸素呼吸器がある。

◆呼吸用保護具の選択(令5.5.25基発0525第3号)

・有毒ガス等が粉じん等と混在している場所では、防じん機能を有する防毒マスク又は防じん機能を有するG-PAPR又は給気式呼吸用保護具を使用する。有機溶剤の蒸気と塗料の粒子等の粉じんが混在している場合も、同様の呼吸用保護具を使用する。

・2種類以上の有害ガス等が混在する作業場で防毒マスク又はG-PAPRを使用する場合、それぞれに合格した吸収缶を選定する。

・有害物質の濃度が不明な場所では、給気式の送気マスク又は自給式呼吸用保護具を使用する。「ろ過式」は使用不可。

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聴覚(防音)保護具・防熱衣等の要点まとめと概要

1:聴覚(防音)保護具には、耳栓と耳覆い(イヤーマフ)がある。

2:耳栓と耳覆いのどちらを選ぶかは、作業の性質や騒音の性状で決まるが、非常に強烈な騒音に対しては両者の併用が有効である。

■騒音の種類

音の大きさの目安デシベル(dB)
飛行機のエンジンのそば。耳の疼痛感130
ハンマー打ち船台作業120
熱鋸、ガスタービン削岩機など110
ボイラー工場。耳を覆いたくなる100
電車のそば。目前の人と話ができない90
85dB以上の騒音には聴覚(防音)保護具の着用が必要85
電車の中、街の雑踏。
よほどの声をはりあげないと、話ができない
80
意識的に声を大きくして話す70
うるさい感じだが、普通に会話できる60
ざわざわと、いつでも音が耳について落ち着かない50
静かであるが、音からの解放感がない40
しーんとした感じ20

聴覚(防音)保護具の必要性

騒音は、人体に生理的、心理的影響を与えるばかりか、回復の見込めない騒音性の難聴を引き起こす。特に85dB以上の環境では環境改善の設備や聴覚(防音)保護具の着用が必要である。

聴覚(防音)保護具が必要な作業

グラインダー作業、プレス作業、鋼材の溶断作業、薬液噴霧作業、チェーンソーによる木材切断作業、削岩機などの動力工具取扱作業など。

聴覚(防音)保護具の種類

聴覚(防音)保護具の種類は、JISにより規定され耳栓と耳覆い(イヤーマフ)に分けられる。製品により遮音値がそれぞれ違うので、作業の性質や、騒音の周波数、大きさなどの性状に合わせ、選択される。また、非常に強烈な騒音に対しては両者の併用も有効である。

正しく着用すれば、フォーム形の耳栓でも110dB以上の騒音を遮音できる。

※平均遮音値:周波数125~8,000Hzの音域での遮音値を平均したもの。

聴覚(防音)保護具の選定

例えば、現在120dBを85dBに低下させるには35dB遮音すればよく、35dB以上の遮音性能を持つ聴覚(防音)保護具が必要となる。

保護クリーム

作業中に、有害な物質が直接皮膚に付着しないようにするため、保護クリームを使用する。作業に就く前に塗布し、作業終了後は完全に洗い落とすようにする。

保護眼鏡

研磨、研材、粉砕、化学薬品取扱いの作業等では、飛散する粒子、薬品の飛沫などによる眼の障害を防ぐ目的で、保護眼鏡を使用する。保護眼鏡を選ぶときは、以下のこと等に注意する。

①JIS規格適合品であること

②軽量で長時間使用しても疲れないもの

③視界が広く保護範囲が広いもの

遮光用保護具

溶接作業の場合は、アーク点火時及び周辺作業者からの直接光などにばく露することを防止するため、遮光眼鏡を常時使用するほか、アーク点火時には、顔、首部まで保護できる保護服を併用する。

防熱衣

暑熱が著しい作業場では、アルミナイズドクロス製の防熱衣を着用する。防熱衣の材質に石綿や厚手の刺し子が用いられていたこともあったが、現在ではほとんど使用されていない。

防熱面

防熱面は、顔を保護するもので、メッシュの金網製のもの、アルミナイズドクロス製で眼のところに遮光プレートを取り付けたもの等がある。

以上

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