
本記事では、日本で一番衛生管理者試験1種・2種に詳しい自信のある衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者試験で出題される呼吸と呼吸器・神経についてわかりやすく解説していきます。
ニューロンやシナプスなどの頻出用語も登場するので、衛生管理者試験を受験予定の人はぜひ最後までお読みください。
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呼吸の要点まとめと概要
1:肉体労働によって呼吸が激しくなるのは、主に血中のCO2分圧が高くなるからである。
2:酸素の運搬役は赤血球の中のヘモグロビンである。
呼吸の機能
呼吸とは酸素を体内組織に取り入れ、二酸化炭素を対外に排出すること(ガス交換)である。呼吸運動は、主として肋間筋と横隔膜の協調運動により行われる。
気道から取り込まれた空気は肺胞で、酸素を血液中に与え、二酸化炭素を血液中からとる。このガス交換を外呼吸(肺呼吸)という。
血液中に溶け込んだ酸素は、血管から組織に、逆に組織から出た二酸化炭素は、血管内の血流に溶け込む。この組織内部で行われるガス交換を内呼吸(組織呼吸)という。血液中の酸素の運搬役は、赤血球中のヘモグロビンである。
呼吸中枢は延髄の網様体にあり、ここからの刺激により呼吸に関与する筋肉が支配されている。
呼吸中枢
延髄の網様体にあり、ここからの刺激により呼吸に関与する筋肉が支配されている。
呼吸中枢の働きは主として、動脈血の二酸化炭素分圧によって調節されている。血液中に二酸化炭素が増加してくると、呼吸中枢は刺激されて呼吸は深くなり、1回換気量は多くなる。呼吸数が増加するので、肺でのガス交換の量が多くなる。
※1回換気量:安静時1回の呼吸で肺に出入りする空気量(約500ml)。
呼吸数
成人で1分間に16~20回(平均18回)であり、若年ほど多い。年齢、気温、運動、体温、精神状態などにより変わる。
肺活量
最大吸気後の最大呼気量(年齢、性別、体格などで異なる)。
※肺活量の多い人は肺でのガス交換面積が広く、肺活量が少ない人に比べて、単位時間当たりのガス交換量が多くなるので、激しい肉体労働に有利であるといえる。
吸気と呼気のガス成分
O2 | CO2 | N2 | |
---|---|---|---|
吸気 | 21% | 0.04% | 78% |
呼気 | 16% | 4.00% | 78% |
※吸気:胸郭内容積が増し、内圧が低くなるにつれ、鼻腔や気道を経て肺内へ流れ込む空気。
呼吸により、約4%の二酸化炭素が排出されている。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)
一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上又は、睡眠1時間当たりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる状態。酸素不足による睡眠不足が起こる。
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呼吸器の要点まとめと概要
1:呼吸運動は主として肋間筋と横隔膜の協調運動で行われ、肺自体には運動能力はない。
2:呼吸中枢は延髄の網様体にある。
呼吸器
鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなる。
・鼻腔:鼻腔への入り口を外鼻腔という。鼻腔は鼻中隔によって左右2つに分けられている。
・副鼻腔:鼻腔に続く骨の中にできた空洞である。
・咽頭:鼻腔の奥から喉頭の後方。
・喉頭:発声器があり咽頭と気管の間。
・気管:頸部から胸部の中央まで長さ約10cm。
・気管支:細かく枝分かれした末端が肺胞である。
気道
鼻から肺に至る空気の通路全体のこと。
①上気道:鼻腔、咽頭
②下気道:喉頭、気管、気管支
気道の生理作用
①呼吸気の通路
②吸気への加温、加湿
③異物の除去
④有毒ガスの吸入を避ける
⑤嗅覚作用(鼻腔の奥にある嗅上皮による)
⑥発声(声帯の振動によって起こる)
呼吸運動
主として肋間筋と横隔膜の協調運動で、肺の拡張、収縮を行う。
細胞に必要なエネルギーを生み出すための酸素(O2)は、吸気により肺から取り込む。また、エネルギーを生み出す過程でできる二酸化炭素(CO2)は、呼気により肺から排出する。この酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する呼吸がガス交換である。
吸気と呼気に関わる各部位の動きは以下のようになる。
◆吸気・呼気の各部位の動き
吸気 | (呼吸運動部位など) | 呼気 |
収縮 | 肋間筋・横隔膜 | 弛緩 |
拡張 | 胸郭 | 収縮 |
低下 | 胸膜腔の内圧 | 上昇 |
吸入 | 肺(空気) | 排出 |
※胸郭で呼吸運動をすることを胸式呼吸、横隔膜では腹式呼吸という。
呼吸中枢
吸息中枢、呼息中枢とも延髄の網膜体にある。
神経の要点まとめと概要その1
1:神経系は、中枢神経系と末梢神経系に大別される。
2:中枢神経系は脳と脊髄からなり、末梢神経系は、体性神経と自律神経からなる。
3:灰白質は神経細胞からなり、白質は神経線維からなる。
4:脳の表層の灰白質を皮質(大脳皮質)と呼び、内部の白質部分を髄質と呼ぶ。脊髄では白質が外に、灰白質が内にある。
■脳の中核部分の働き
小脳 | 延髄と橋の背方にある | 骨格筋の緊張を適度に保ち、筋の収縮を調節する。侵されると運動失調が起こる |
延髄 | 脳の最下端で脊髄に続く | 呼吸、血液循環、嚥下、発声、唾液、涙などの生命保持に重要な中枢である |
中脳 | 橋の前に続く短い部分 | 姿勢や眼球の運動、瞳孔縮小などに関する中枢がある |
間脳 ・視床 ・視床下部 | 中脳のさらに前上方 | 視床と視床下部に分けられる |
視覚、聴覚、体性感覚の神経線維の中継点 | 嗅覚以外の身体の末梢からの知覚を大脳皮質に伝える | |
自律神経系の調整中枢 | 生命維持機能に関して重要な体温調節、血圧、睡眠、消化、水分調節、性機能などを調節する | |
脳橋 | 延髄の上方の続き | 延髄と中脳や大脳、中脳や大脳と小脳とを連絡する神経線維の通路 |
神経系統
神経系は、中枢神経系と末梢神経系に大別される。中枢神経系は脳と脊髄からなり、末梢神経系は、体性神経と自律神経からなる。
脊髄
脊柱管に入っている細長い器官で、椎骨で保護されている。内部はH字の形をした灰白質と、周囲を包む白質からなる。
・灰白質の左右の前部(前角)は運動神経細胞、後部(後角)は知覚神経細胞からなる。
・白質は、情報を脳へ運ぶ経路と脳の刺激の結果を筋肉に運ぶ神経線維の束からなり、神経細胞体はない。
①脳・脊髄からの情報→運動神経(遠心性神経)→前角→前根※→骨格筋に。
②皮膚・筋からの刺激→知覚神経(求心性神経)→後根※→後角→脳に。
※神経:筋肉に比べ疲労しにくいが、酸素の供給が乏しいと速やかに疲労する。
脳
脳は頭蓋内にある中枢神経で、最も高等な神経機能を営む。各部分のうち最も大きく発達しているのが終脳である。
・終脳は深い溝で左右二つに分かれており、これを左右の大脳半球という。
・中軸部分をなす間脳、中脳、脳橋、延髄を脳幹と呼ぶ。
・大脳半球では、神経機能の種類により営む皮質の部位が違う。脳梗塞や怪我などで障害を受けると、その部分が担っていた機能が働かなくなる。
例1)聴覚性言語中枢に障害:言葉を音として聴くことはできても、その意味を理解できなくなる。
例2)運動性言語中枢に障害:声は出せてもまとまった言葉として話せなくなる。
神経の用後・名称
①ニューロン:神経系の構成単位となる神経細胞であり、核を持つ細胞体と突起(樹状突起と軸索)からなる。
②シナプス:神経線維の末端が分岐したニューロンや感覚器の細胞との接合部。ニューロンから他の細胞に神経興奮を伝達する場所。シナプスの興奮伝達物質にはアセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、などがある。
興奮の伝達速度は、神経線維(有髄神経線維)が太いほど速い。
神経の要点まとめと概要その2
1:末梢神経とは、脳と脊髄以外の神経系全体をいい、体性神経と自律神経からなる。
2:自律神経系は、不随意筋に分布する。
■12対の脳神経と機能
脳神経 | 出入位置 | 機能 |
---|---|---|
嗅神経 | 終脳に入る | 嗅細胞と脳とを連絡し、嗅覚を伝導する。 |
視神経 | 間脳に入る | 眼球から間脳に入り、網膜で受けた光の刺激を脳に伝える。左右の視神経は脳に入る前に交叉している。 |
動眼神経 | 中脳から出る | 眼球を動かすいくつかの筋に入る運動神経。 |
滑車神経 | 中脳から出る | 眼球を動かす筋の一つに入る運動神経。 |
三叉神経 | 脳橋から出入りする | 知覚神経線維と運動神経線維の両方を含み、脳から出て間もなく3本に分かれるので三叉という。顔や口腔などの知覚と咀嚼筋の運動に関与する。 |
外転神経 | 脳橋から出る | 眼球を動かす筋の一つに入る。 |
顔面神経 | 脳橋から出る | 顔の表情を支配する運動神経。味覚、涙腺、唾液腺の分泌を調節する神経も含む。 |
内耳神経 | 脳橋に入る | 前庭神経と蝸牛神経。三半規管と前庭、蝸牛とに分布する知覚神経。平衡感覚、聴覚を伝える。 |
舌咽神経 | 延髄から出入りする | 舌根部と咽頭に分布し、その知覚のほかに喉の動きや唾液の分泌にも関与する。 |
迷走神経 | 延髄から出入りする | 頭、頸、胸、腹部に広く分布し、知覚、運動、分泌の3種の神経線維からなる。咽頭から大腸の途中までの消化管や肝臓、膵臓、心臓、肺、気管、気管支などの諸器官に分布し、その働きを調節する。 |
副神経 | 延髄から出る | 胸鎖乳突筋と僧帽筋に分布する運動神経。 |
舌下神経 | 延髄から出る | 舌の動きに関与する運動神経。 |
末梢神経
脳と脊髄以外の神経系全体をいい、体性神経と自律神経からなる。
<体性神経>
・脳神経
・脊髄神経
①運動神経…骨格筋へ命令を伝える(出ていく神経線維の束を前根という)
②知覚神経…身体各部から情報を運ぶ(入ってくる神経線維の束を後根という)
<自律神経>
・交感神経
・副交感神経
①体性神経:脳神経と脊髄神経とに区別される。脳と脊髄から直接出て、身体各部に至る。
②自律神経:交感神経と副交感神経があり、内臓や血管などの不随意に働く器官の調節をする。一般に昼間は交感神経が緊張し、夜間には副交感神経が緊張する(サーカディアン(概日)リズム)。
自律神経の作用
交感神経の作用 | 器官名 | 副交感神経の作用 |
---|---|---|
脈拍を速める | 心臓 | 脈拍を遅くする |
高める | 血圧 | 下げる |
高める | 血糖量 | 下げる |
消化管などでは収縮、筋では拡張、皮膚では拡張収縮の双方向 | 血管 | 拡張 |
促進 | 呼吸 | 抑制 |
ぜん動運動を抑制する | 消化管 | ぜん動運動を促進する |
拡大 | 瞳孔 | 縮小 |
交感神経と副交感神経
心臓の働きを促進するのは交感神経、抑制するのは副交感神経だが、腸のぜん動運動の場合は、促進するのが副交感神経であり抑制するのが交感神経である。
自律神経の働きをコントロールしている中枢は脳の視床下部であるが、ここは同時にホルモン分泌の中枢でもあり、自律神経のバランスが崩れるとホルモン分泌にも影響が現れる。
のぼせ、ほてりなどの更年期にみられる症状などが典型である。
以上
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