衛生管理者:体温・代謝・睡眠を完全解説!よく聞くレム睡眠・ノンレム睡眠とは?

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衛生管理者試験1種・2種について日本トップレベルに詳しい衛生管理者マスターの私ヒロヤが、体温・代謝・睡眠ついて完全解説します。

よく聞くレム睡眠・ノンレム睡眠などの用語も登場するので、衛生管理者試験の受験者は必ず理解しておきましょう。

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体温の要点まとめと概要

1:体温(熱)は主に体内栄養素の酸化燃焼、分解などの化学反応によって産生される。

2:高温にさらされ正常以上の体温に上昇すると体内の代謝活動が抑制され、熱の産生量を減らす。

3:外部環境の変化に無関係に体温を一定に調節しようとする仕組みをホメオスタシス(生体恒常性)という。

4:体熱の放散は、輻射、伝導、対流、蒸発によって行われる。

5:不感蒸泄により、発汗がなくとも1日約850gの水分が蒸発する。

■体温と身体の状況

身体状況体温の値
正常体温腋下温36.5℃<口腔温37.0℃<直腸温37.5℃
日差変動最低温度:早朝(午前4~6時)、最高温度:(午後3~8時)
最高体温42℃以上、生体蛋白が凝固、生命維持困難
低体温直腸温度35℃以下をいう
産熱不能直腸温度32℃以下、熱産生不能となる。意識は混濁
心臓停止20℃以下になると心臓が停止する

体温と体熱産生

体温は、主に体内栄養素の酸化燃焼・分解などの化学反応で産生される身体内部の温度である。

代謝が活発な骨格筋運動や肝臓の代謝では産熱が多く、腎臓、脾臓等も熱の産生器官である。

温度が低い時は、皮膚の血管が収縮して、血流量を減少させ、皮膚温を下げる。

そこで、毛穴を閉じたり(鳥肌が立つ)することで熱の産生量を増やし、放熱を防ぐ。

正常体温は腋下で36.5℃、口腔温37℃、直腸温37.5℃程度で、42℃を超えると生体内の蛋白質が熱で凝固するため、生命維持が困難になる。

直腸温が35℃以下になることを低体温という。32℃以下になると産熱が十分行われなくなり、意識の混濁や脈が激しくなるなどの症状が現れる。20℃で心臓は停止する。

ホメオスタシス(生体恒常性)

体温調節中枢は、間脳の視床下部にあり、体温を一定に保つように機能する。

また、体温調節のように外部環境変化に対して身体内部の状態を恒常的に保とうとする。この仕組みをホメオスタシス(生体恒常性)といい、主に自律神経系と内分泌系により調節される。

体温調節

体熱産生に対し、体熱放散は輻射(接触なしに体熱が他の物質に移動)、伝導(身体と接触している物質への移動)、対流(空気や液体の運動による体熱の移動)、蒸発の4つの物理現象で行われる。

蒸発は液体の蒸発によるもので、「発汗」と「不感蒸泄」がある。

発汗による体温調節では、汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げている。水1ml(1g)が蒸発するとき、約0.58kcalの気化熱が奪われる。また、人体の比熱(体重1kgを1℃高めるのに要する熱量)は、約0.83である。

<体重70kgの人の体温調節>

計算上では、70×0.83=58.1kcalとなり、これは水が100ml(100g)蒸発するときの気化熱にほぼ等しい熱量となる。したがって、汗を100mlかくと体温を1度下げることになる。

<不感蒸泄>

不感蒸泄とは、運動状態等の発汗をしていない状態でも、皮膚面・口腔・気道等の粘膜から水分が常に蒸発していること。その水分量は1日800~1,000ml程度(皮膚から約500~600ml)である。

※汗の成分:

①液体成分:水分99%以上

②固形成分:塩化ナトリウム、尿素、尿酸、クレアチニン、アンモニア、乳酸、アミノ酸等

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代謝の要点まとめと概要

1:基礎代謝量は、覚醒、横臥、安静時の値である。性、年齢、体格、人種などで異なるが、同性、同年齢であれば体表面積にほぼ比例する。

2:エネルギー代謝率(RMR)とは、作業に要したエネルギー量の基礎代謝量に対する比率である。

■代謝関連キーワード

キーワード概要
異化・細胞に取り入れられた体脂肪やグリコーゲンなどが分解されて必要なエネルギーを発生し、ATPが生産されること。
同化・体内に摂取した炭水化物や脂質等の栄養素は、消化・吸収・分解され、ATPに生成され、活動に必要なエネルギーとして蓄えられる。このようなエネルギーを用いて、蛋白質などの生体に必要な物質を合成すること。
代謝・「同化」と「異化」とを併せて新陳代謝、又は単に「代謝」という。
・生命活動における代謝を「エネルギー代謝」という。
呼吸商・体内で栄養素が分解され、エネルギーに変換されるまでに消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比をいう。

基礎代謝量(BMR)

生体が絶対安静時に、生命維持のみに必要な最低限のエネルギーである。すなわち、横になって目覚めている状態で生命を維持する心臓、呼吸、腎臓、体温や筋緊張の維持などのために必要な最小限のエネルギー消費量である。

①安静時代謝量は座位における代謝量であり、基礎代謝量の10~20%増しである。すなわち座っているだけで代謝量は基礎代謝量の1.2倍になる。

②成人の1日当たりの基礎代謝量は、男性1,400~1,600kcal、女性1,200~1,400kcalであり、一般に男性の方が高い。

③基礎代謝量は、性、年齢、体格、人種などで異なるが、同性、同年齢であれば体表面積にほぼ比例する。

④同じ体重でも筋肉量が多く体脂肪率の低い人の方が基礎代謝量が高くなる。

エネルギー代謝量(RMR)

作業に要したエネルギー量の基礎代謝量(作業時間当たり)に対する比率であり、作業の強度を示す。

エネルギー代謝率

=作業に要したエネルギー量÷基礎代謝量

=(総代謝量-安静時代謝量)÷基礎代謝量

※安静時代謝量=基礎代謝量×1.2である。

物質の代謝

体外から取り入れた物質を化学変化させて体組織の成分にすることや、不要な成分を他の物質に変化させて対外に排出することを、新陳代謝又は代謝という。

炭水化物の代謝

①摂取された炭水化物はブドウ糖(グルコース)として吸収され、グリコーゲンに合成されて肝細胞、筋肉に蓄えられる。

②筋肉や組織が活動するためにエネルギーが必要になると、グリコーゲンは再びブドウ糖に分解され、さらに二酸化炭素と水になるのに伴い、エネルギーが放出される。

③二酸化炭素と水は体外に排出される。水はほとんどが腎臓から排出されるが、肺、皮膚からも排出される。

蛋白質の代謝

①摂取された蛋白質はアミノ酸に分解されて、腸で吸収され肝臓に運ばれる。肝臓で再び蛋白質に合成され、体組織構成材料などとなる。

②体細胞が消耗し組織が分解する際、アンモニアができる。このアンモニアを肝臓で尿素、尿酸にし、尿として排出する。

脂肪の代謝

脂肪は脂肪酸とグリセリンになって吸収され、中性脂肪に合成されて皮下や筋肉組織の間に蓄積される。必要に応じて分解され、エネルギー源となる。その分解産物は二酸化炭素と水である。

睡眠の要点まとめと概要その1

1:1日の体温変化(深部体温)は、明け方に最も低く、日中に上昇し、夕方にかけてピークを迎え、また下がっていくというカーブを描く。

2:人間は体温が下がり始めると代謝が不活性化して眠くなる。

■レム睡眠・ノンレム睡眠の周期

約1.5時間単位のまとまりとなっている。起床時間がレム睡眠時に重なると比較的気分良く目覚められる。

睡眠の役割

睡眠不足のときの不愉快な気分や意欲のなさは、身体ではなくて大脳そのものの機能が低下していて、大脳が休息を要求していることを意味している。睡眠とは、大脳をうまく休ませる機能であるといえる。

レム睡眠とノンレム睡眠

①レム睡眠:急速眼球運動を伴う睡眠で、大脳をノンレム睡眠の状態から目覚めさせる眠りという意味である。筋肉の緊張や反射活動は強く抑えられている。

通常は、呼吸や脈拍が増加し、血圧はノンレム睡眠時に比べて少し高くなる。また神経活動が活発になり、複雑な内容の鮮明な夢を見る。

②ノンレム睡眠:レム睡眠でない眠りという意味で、大脳を休ませ回復させる眠り、いわゆる安らかな眠りである。睡眠の深さにより、ノンレム睡眠は、1.うとうとしている入眠期、2.浅い眠り、3.中等度の眠り、4.深い眠りの4つの段階に分類される。

睡眠の単位

健康な成人では、上記2種類の眠りが約1.5時間の単位を作り、いくつかの単位がまとまって一夜の睡眠を構成している。最初の2単位、つまり寝入りばなの約3時間のあいだに、質の良い眠り(深いノンレム睡眠)がまとまって出現する。以後は、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせとなる。ノンレム睡眠は大脳を鎮静化するための眠りであり、レム睡眠は大脳を活性化するための眠りである。

生体の保守点検や成長

生体は熟睡状態を利用して、自己の保守点検や成長を定期的に実行する。

・ストレス状態では不眠が起こりやすく、このとき分泌される副腎皮質刺激ホルモンは睡眠を抑制する作用がある。

・睡眠は免疫増強過程とも密接に関わっている。生体がウイルスや細菌に感染すると、それらが体内で分解されて生じた物質が、生体防御反応を誘発するとともに、発熱とノンレム睡眠を誘発する。

睡眠中の体温

1日の体温変化(深部体温)は、明け方に最も低く、日中に上昇し、夕方にかけてピークを迎え、また下がっていくというカーブを描く。人間は体温が下がり始めると代謝が不活性化して眠くなる。

ヒトの睡眠の特徴

ヒトは、複数の睡眠単位をつないで、1日1回の長い睡眠(単相性睡眠)にする。これに対し、ほかの哺乳動物の睡眠は、1日に何回も眠るパターン(多相性睡眠)を示す。

睡眠の要点まとめと概要その2

・短眠と長眠との決定的な差は、睡眠の質の違いである。短眠者は睡眠効率が良く、深いノンレム睡眠の割合が多い。

■自律神経機能と反応

副交感神経(睡眠時等)交感神経(活動時)
減少する心拍数増加する
収縮が弱くなる心筋収縮が大きく血流が多い
弛緩して血圧は下がる血圧収縮して血圧が上がる
消火などで活発に動く胃腸運動動きが減少する
静まり催眠状態脳・神経興奮状態
入眠・睡眠、休息、食事等神経の状況活動・運動・仕事等

■体内時計

24時間周期に修正されてリズムを刻む体内時計は、日中は無意識に体と心が活動状態に、夜間は休息状態に切り替わる。脳の松果体から分泌されるメラトニンは、体内時計に働きかけることで覚醒と睡眠を切り替え、眠りを誘う作用がある。

睡眠の年齢差

睡眠の質と量は年齢に大きく依存する。

睡眠の男女差

女性の卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、それぞれ眠気に抑制と促進の効果を及ぼす。更年期以後の女性に不眠が増える傾向は男性よりも著しいが、睡眠時の呼吸機能が男性は弱く、睡眠の質的内容は男性の方がはるかに劣る。

睡眠が不足すると、感覚機能、集中力、作業の効率が低下し、判断の誤りを誘発するので、交通事故などの危険が増す。

睡眠の個人差

・短眠と長眠との決定的な差は、睡眠の質の違いである。短眠者は睡眠効率が良く、深いノンレム睡眠の割合が多いのに対し、長眠者は浅いノンレム睡眠、レム睡眠、中途覚醒の割合が多い。

・入眠時刻あるいは起床時刻に関しては、早寝早起きの朝型と宵っぱりの朝寝坊の夜型という個人差がある。

睡眠と自律神経

睡眠に関わる自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、生体の機能をコントロールしている(要点まとめ参照)。

一般的に、交感神経が働いているときは昼間の時間帯で、体が活動状態にあるときである。副交感神経が働いているときは、夜間の時間帯など体がリラックスして休息・睡眠状態のときである。

自律神経の「バランスが崩れる」とは、交感神経と副交感神経のいずれかが偏って活発になる状態で、ストレスなどによる交感神経の優位が続いたりしたときである。このバランスの乱れを解消するのが「快い眠り」となる。

快い眠りを取ると、副交感神経が優位になり、内臓の働きが改善する。また、血液の循環が促され、ホルモンの分泌も良好になることにつながる。

睡眠と体内時計

睡眠中には、代謝などに関わるメラトニンやコルチゾール、成長ホルモンが体内で分泌されている。この中で、メラトニンは、血圧や脈拍を下げ、睡眠を安定させる作用とサーカディアンリズムを調整する働きがある。

これらの分泌リズムをコントロールしているのが体内時計で、人が本来持つ体内時計の25時間を1日周期の24時間へと修正するサーカディアンリズムがある。人工的な夜の光などによる体内時計の乱れが続くと、睡眠障害などが起きたりする。

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome):睡眠中に上気道が狭くなるなどして、無呼吸を繰り返す病気。睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計回数が5回以上起こる状態で、日中の眠気による作業効率の低下などを起こす。

以上

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