
衛生管理者試験1種・2種について日本トップレベルに詳しい衛生管理者マスターの私ヒロヤが、疲労・BMI値・ストレスの要点をわかりやすく解説します。
疲労にもいくつかの種類があります。日常生活でも役立つ知識が満載なので、衛生管理者試験の受験者は必ず理解しておきましょう。
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疲労の要点まとめと概要その1
1:疲労の種類では、従来の動的疲労、身体的疲労、全身疲労よりも、静的疲労、精神的疲労、局所疲労が近年の職場の課題となっている。
2:局所疲労では、長時間の情報機器作業で視覚的な障害や筋骨格系に大きな影響を与えるとされている。
■疲労検査の主な種類
フリッカーテスト | 光の点滅(フリッカー)を行い、断続する光が連続する光に見えるようになる閾値(いきち)を調べる。フリッカー値が小さいほど疲労度が高い。 |
二点弁別閾検査 | 体表面上の2点に機械的刺激を与えたとき、識別できる最小の距離を二点弁別閾といい、感覚神経の機能を調べる方法。 |
心拍変動(HRV)解析 | 疲労度の進行に応じた自律神経の機能(変動)を調べる方法で、疲労の自覚的症状や他覚的症状を捉える。 |
クレペリン検査 | 作業量、作業により生じる気分の変化、休憩の効果、気持ちなど作業曲線から判断できる。 |
集中維持機能(TAF)検査 | 肉体労働や筋疲労、精神的疲労において、負荷労働量に対する集中力・作業能力の低下など集中維持機能(TAF)の変容を調べる。 |
二重課題法 | 2つ以上の作業を同時に行うことで、注意力の分散や作業効率への影響など、同時処理能力を評価する。 |
※厚生労働省「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」:労働者の仕事による疲労蓄積を自覚症状と勤務の状況から判定する。
労働による疲労の原因
疲労とは、身体や精神に「負荷」が加わり、作業効率や活動が低下した状態になることをいう。
労働を起因とする産業疲労で、近年では時間外労働などに伴う長時間にわたる過重な労働が、疲労の蓄積をもたらすと考えられている。
それに伴う脳疾患や虚血性心疾患の関連性が深いという医学的な指摘もある。
この他、騒音や照明、高温多湿などの作業環境によるもの、人間関係などの人的環境によるもの、労働者の健康状態や労働意欲の低下など内的環境によるものなどがある。
疲労の種類
①動的疲労=土木作業などの全身作業により生ずるもの。
②静的疲労=OA、事務など一定の作業姿勢を保持したままで行う時間が長い作業により生ずるもの。
③身体的疲労=肉体を使うことが多い作業で生ずるもの。
④精神的疲労=感覚器への刺激や会議の長時間継続など精神的集中が高い作業により生ずるもの。
⑤全身疲労=全身を使う作業を行うことで生ずるもの。
⑥局所疲労=目や手、腰など体の一部だけを使って行うことでその部位に生ずるもの。
疲労の違い
現在ではIT化の進歩などで、休養により回復することが可能な動的疲労や全身疲労は少なくなっている。
一方で、情報機器作業などによる静的疲労は、休養で回復する場合もあるが、過度の場合は視覚障害、筋骨格障害などが持続するといったことがある。
また、身体的疲労と精神的疲労は両方伴うことが多いが、精神的疲労は心理的な疲れが蓄積されるもので不快感などを伴う。
最近では、後者の比重が大きいことが問題となっている。
局所疲労も近年の職場の課題となっている。
情報機器作業の場合、長時間ディスプレイを眺めることで、視覚的な障害や筋骨格系に大きな影響を与えるとされている。
疲労の予防と回復
疲労の予防と回復には、休養・休息、睡眠、栄養が大事な要素である。
しかし、近年では労働形態の多様化と複雑化により、疲労の種類もいくつかが重なって生じることが多い。特に、静的疲労、精神的疲労、局所疲労などは、情報機器作業などの単一作業で重なり合い生じる疲労でもある。
したがって、労働者は産業医への面接相談などの利用や、①休憩時には軽い体操を行う、②適切な作業姿勢、作業速度、労働時間などの工夫をすることが大事である。
疲労の要点まとめと概要その2
・静的筋作業による疲労や精神的疲労の回復のためには、適度な運動を伴う気分転換が効果的であり、安静状態の休息よりも効果が高い。
■慢性疲労症候群
原因 | 症状 | 治療(特に有効な治療法はない) | |
---|---|---|---|
感染症、ストレス、疾患(腫瘍、心臓疾患、甲状腺疾患など)、免疫系の変調 | 全身倦怠感、微熱、頭痛、脱力感、思考力の低下、精神・神経症状 | 薬物療法 ・抗ウイルス剤 ・免疫グロブリン ・免疫調節剤 ・ビタミン剤 | カウンセリング 病気に対する不安から精神的ストレスを強めることもあるためカウンセリングでその不安を和らげる |
疲労感が最低6か月続くものを慢性疲労症候群という。
疲労の効果的回復
静的筋作業による疲労や精神的疲労の回復のためには、適度な運動を伴う気分転換が効果的であり、安静状態の休息よりも効果が高い。
その他、体力増強のトレーニングや、その人なりの特別の栄養素の摂取、あるいは脳中枢神経系をリラックスさせる音楽を聴くなどの趣味的な行動、脳に働きかける香り、睡眠などが疲労の回復に効果的である。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは、感染症や化学的、生物学的、社会心理的なストレスが誘因となって引き起こされた神経、内分泌、免疫系の変調に基づく病態であり、免疫物質の異常が引き起こす脳、神経系の機能障害であるととらえられる。
慢性疲労症候群とする最低要件として、他の病気による症状ではないこと、6か月以上にわたる症状の持続、などが挙げられ、厚生労働省の診断基準により診断される。
慢性疲労症候群の症状
突然原因不明の次のような症状が起こる。全身倦怠感、激しい疲労感、微熱、リンパ腺の腫れや痛み、頭痛、喉の腫れや痛み、関節痛、筋力低下、思考力・集中力の低下、脱力感、精神・神経症状等。
疲労の検査と評価
それぞれの作業の性格により異なるが、筋電図や心拍数、眼球運動記録、フリッカーテスト、二点弁別閾検査、クレペリン検査、二重課題法によるスペア能力の変化測定などで検査、評価する。
①静的筋作業の場合:筋出力の記録。筋疲労感、筋痛の自覚時点の記録(筋疲労感を段階評定できる)などの検査で評価できる。
②動的筋作業の場合:同内容の作業であれば呼吸循環系などの定常状態の乱れ、複合した作業であれば回復の遅れに焦点を合わせて測定する。定常状態の乱れと回復遅れをみるには、心拍数記録の応用範囲が最も広く有用である。疲労感は静的筋作業のときほど鮮明ではないので、心拍数記録を中心にして他の項目で補強して疲労性変化の出現を調べるのが現実的である。
③機器操作・技能作業の場合:筋作業だけの場合とは違って操作や作業サイクルの乱れ、ミスなどの他覚的変化に焦点を合わせて観測する。
④監視作業・検査作業の場合:作業量や作業サイクルを手がかりにしにくいので、緊張持続のための注意状態とその乱れ、ミスを捉えることが主眼となる。特に参考になるのが疲労感と認知能力の低下、それに注意配分状態が長続きしなくなることを示す変化である。
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BMI値の要点まとめと概要
1:BMI指数の標準値は22であり、25を超えると肥満である。
2:身長170cmの者の場合、体重が64kgであればBMI値は22で標準であり、体重が72kgを超えるとBMI値は25を超えて肥満である。
BMIは次の計算式で算定される。
BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)
<具体例>
身長(cm) | 体重(kg) | BMI | 判定 |
---|---|---|---|
170 | 64 | 22 | 標準 |
67 | 23 | 普通体重 | |
70 | 24 | 普通体重 | |
72 | 25 | 肥満 | |
75 | 26 |
BMI値は概数である。18.5~25未満が普通体重とされる。
中性脂肪
メタボリックシンドロームと密接な関係のある中性脂肪(トリグリセライド)は、部位によって皮下脂肪・内臓脂肪などと分類され、必要に応じて脂肪酸となり、エネルギーとして使われるものである。
食事でとった中性脂肪は、小腸でいったん消化されて小腸壁にから吸収され、再び中性脂肪となる。そして、血液中を運搬され、筋肉や臓器など全身の組織に行きわたることになるが、このときエネルギーとして使い切れずに余った分は、脂肪組織に貯蔵されたり、肝臓に取り込まれたりする。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態をメタボリックシンドロームという。メタボの原因は、①過剰なエネルギーの摂取(特に脂質と糖質)、②運動不足(毎日、有酸素運動が30分程度必要)、③酒とタバコ(動脈硬化を進行させる)、④ストレス(過食の原因)といわれる。
死の四重奏
何が虚血性疾患(ことに心臓疾患)にとって重要な因子であるかを広範な統計的研究に基づいて調べた結果、「高血圧」「脂質異常症」「肥満」「糖尿病」が四大因子であることがわかった。これを「死の四重奏」と呼んでいる。
肥満(内臓脂肪肥満型)
肥満とは、身長に比べて体重の割合が大きい状態のことで、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れることで肥満になる。内臓脂肪が蓄積したり高血圧、糖尿病など合併症があるなど医学的にみて治療が必要だと判断される場合は肥満症という。
肥満の原因
ホルモン異常による肥満もまれにあるが、日常見られる単純性肥満は「食べ過ぎ」と「運動不足」の生活習慣から起こる。毎日食事からとるエネルギーは生命維持や運動のために消費される。生活で消費されるエネルギーよりも食べ物で体に入ってくるエネルギーの方が多くなると、その余った分が脂肪として体内に蓄積される。
BMI値
BMIとは国際的に用いられる体格指数のことで、身長からみた体重の割合を示す値のことである。日本肥満学会では判断基準としてもっとも望ましいのはBMI値22としている。この数値が25以上になると高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすくなる。なお、腹部肥満(内臓脂肪の蓄積)の診断基準は、男性85cm、女性90cmである。
ストレスの要点まとめと概要
1:体と心のバランスを保つためには、適度なストレスが必要である。
2:ストレス状態を引き起こす要因をストレッサーという。
■ストレスの原因
精神的要因 | 身体的要因 | 環境的(物理的、化学的)要因 |
---|---|---|
人間関係(職場、家庭) 自身の能力に対する不安 将来に対する不安 長時間の緊張 | 病気や怪我 痛みや発熱 睡眠不足 慢性疲労 | 騒音 温熱環境の変化 気象の変化 空気汚染など |
ストレッサーの種類は無数にあり、複合して影響を及ぼすケースも多い。
ストレスとストレッサー
ストレスとは、体外から加えられた刺激により引き起こされる生体反応である。そのとき生体に加わる力(外部刺激)をストレッサーという。ストレッサーに対する反応をストレス反応と呼ぶ。
ストレス反応は個人差が大きい。
同じ程度のストレッサーが作用しても、大きなストレス反応を示す者もいれば何事もなかったように振る舞う者もいる。
個人にとって過度なストレッサーは、身体的には活動の亢進を、心理的には意欲の向上等の充実感を生じさせる。
しかし、個人の能力や感性に適合しないストレッサーは、身体的には疲労を生じ、心理的には、不安、焦燥感や抑うつ感等をもたらす。
ストレス反応とホルモンの関与
人体にストレスが加わると、その反応には、自律神経系ではカテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)が、内分泌系ではコルチゾール等の副腎皮質ホルモンの増加が深く関与する。
それぞれのストレッサーの強弱や質に応じてホルモンの分泌を亢進するなどして生体恒常性(ホメオスタシス)を維持するように働く。
職場とストレス
職場にあっては、技術革新、グローバル化、雇用形態の多様化、デジタル技術の導入、労働者の高齢化等の進む中で労働者の6割は、何らかのストレスを抱えているといわれる。
職場のストレス要因では「人間関係」の問題が多いが、昇進、転勤、配置替えなどもストレス要因となり得る。
ストレスにより起こりやすい病気
ストレッサーによる刺激が度を超すと、自律神経系の失調をきたす。その結果、心拍の増加、血圧の上昇、筋肉の緊張などの変化が現れ、この状態が続くと、疲労がたまり、病気にもかかりやすくなる。
神経性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、自律神経失調症、虚血性心臓病、心臓神経症、狭心症、円形脱毛症、ノイローゼ、双極性障害(そううつ病)、統合失調症、高血圧症、気管支喘息等が起こりやすい。
ストレスチェック制度の導入
安衛法ではストレスチェック制度の実施を事業者に義務づけている。
この制度は、事業者は労働者のストレス状況を定期に(1年以内ごとに1回)チェック(検査)する。
検査結果に基づき、高ストレス者と評価された者は、事業者に申し出て医師による面接指導を受ける。事業者は、面接指導の結果により、ストレスによるうつ病など精神的な疾患を早期に発見し、就業上の適切な措置を講じて、職場環境の改善を図ろうとする制度である。
ただし、従業員数50人未満の場合、制度の実施は当分の間、努力義務とされている。
以上
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