【衛生管理者】骨折・脱臼・出血・止血・一次救命措置・食中毒・熱中症・熱傷(やけど)を一気にまとめて解説!

【衛生管理者】骨折・脱臼・出血・止血・一次救命措置・食中毒・熱中症・熱傷(やけど)を一気にまとめて解説!のアイキャッチ画像

本記事では、日本で一番衛生管理者試験1種・2種に詳しい自信のある衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者試験で出題される骨折・脱臼・出血・止血・一次救命措置・食中毒・熱中症・熱傷(やけど)を一気にまとめて解説していきます。

どれも日常生活で役立つ知識なので、丁寧に暗記していきましょう。

ちなみにですが、衛生管理者にはたった10時間の勉強で合格できる方法があります。

これさえあれば限りなく少ない努力で合格に大きく近づきます。

これは私が5年以上も衛生管理者の研究を続ける中で生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。

興味ある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてください。

記事内バナー

骨折・脱臼の要点まとめと概要

1:単純骨折は、皮膚下で骨が折れ、又はヒビが入った程度で皮膚損傷がないものをいう。

2:複雑骨折は、開放性骨折ともいい、皮膚や皮下組織が損傷し、骨の折端が外に出ている骨折である。骨が多数の骨片に破砕されただけでは、複雑骨折とはいわない。

3:副子は、丈夫で上下の関節にまたがる十分な長さがあること。

骨折の救急処置

骨折のときは、ほとんどの場合、損傷箇所の激しい痛みがあるほか、腫れて形が変わったり、骨折端が触れることもある。

①傷があるときは、まず傷の手当をし、必要があれば止血する。骨が出ているときは、そのまま固定する。傷口を洗ったり、骨を戻したりしない。

②極力、骨折部分を安静にし、付近の関節も動かさないようにする。

③骨折部分を上下の関節が動かないように副子(ふくし)(あて木)で固定する。

④副子が使えないような部位であれば、枕、砂袋、三角巾などで固定する。

⑤患部を冷やしつつ、かつ患部を高く保つ。

⑥身体全体は保温し、急いで病院に搬送する。

副子を当てる際の注意

・丈夫で上下の関節にまたがる十分な長さがあること。

・当てようとする四肢の一番幅の狭いところより少し広めのものがよい。

・ボール紙、新聞紙、週刊誌、板、つえ、傘なども利用できる。

・副子は直接当てず、手ぬぐいや布等の柔らかい物の上から当てるようにし、血行障害を起こさないように注意する。

症状の種類

①単純骨折:皮膚下で骨が折れ、又はヒビが入った程度で皮膚損傷がないもの。

②複雑骨折:開放性骨折ともいい、皮膚や皮下組織が損傷し、骨の折端が外に出ているもの。骨が多数の骨片に破砕されただけでは、複雑骨折とはいわない。

③不完全骨折:単純骨折の一つで、骨は折れておらず、ヒビが入った程度の状態のもの。

④完全骨折:完全に折れているもの。骨折端どうしが擦れ合うあつれき音や変形などが認められる。

・脊髄損傷が疑われる場合は、損傷部位の脊柱の動きを最小限にする。手足のしびれや麻痺などがみられたら、脊柱が動かないように硬い板の上に寝かせ、しっかり固定して搬送する。

脱臼

関節を構成する骨同士がはずれた状態。肩関節が最も多い。時間が経つと戻りにくいことや、軟骨に栄養がいかなくなって後遺症の原因になるため、できるだけ速やかに元に戻す必要がある。無理に戻そうとせず、できるだけ楽な格好で医療機関に搬送する。

出血・止血の要点まとめと概要

1:止血法の基本は直接圧迫法であり、ほかに間接圧迫法、止血帯法がある。

2:内出血は、応急対策では止血できない。四肢以外の頭部、胸部、腹部の内出血は極めて危険であり、緊急処置を必要とする。

出血の致死量

成人男子の血液量は体重の約8%、体重65kgの人で約5,000ccである。このうち20%が失われると、ショック状態(顔面蒼白、手足の冷感、冷汗)となり、30%が失われると生命の危険がある。

出血の種類

①動脈性出血:鮮紅色の血液が、脈拍に一致して勢いよく噴出する。大きな血管では、瞬間的に多量の血液を失い失血死のおそれがある。緊急に応急手当を必要とする。

②静脈性出血:暗赤色の血液が持続して流出する。細い静脈からの出血は圧迫止血で容易に止血できる。

③毛細血管性出血:赤色の血がにじみ出る。出血量は少なく、普通は自然に止まる。

止血法

止血の手当を行うときは、感染防止のため血液に直接触れないように注意し、ビニール・ゴム手袋を利用。なければ、ビニールの買い物袋などを利用する方法もある。

①直接圧迫法:外出血に対する止血法の基本である。きれいなガーゼやハンカチを傷口に当て、手で強く圧迫する。

②間接圧迫法:出血部位より心臓に近い部位の止血点(動脈)を手や指で圧迫する。

③止血帯法:切断などの場合と直接圧迫法で止血ができない場合、最終的な手段として止血帯法がある。動脈性出血でも、直接圧迫法や間接圧迫法で止血できる場合があるため、四肢の大きな動脈止血などの場合に行う。止血帯法は、幅3cm以上の止血帯で、傷口から5~10cmほど心臓寄りのところで締める。止血帯をかけた上は覆わずに、止血時間を書いておく。応急時の止血帯には三角巾、手ぬぐい、ネクタイなどを利用する。

内出血

内出血は、応急対策では止血できない。四肢以外の頭部、胸部、腹部の内出血は極めて危険であり、緊急処置を必要とする。胸、腹部の内出血は、一般に出血量が多く、外出血に気をとられることなく、顔色や意識の状態に注意することが必要である。内出血が疑われる場合は、水を与えないこと、患部を冷やすことと安静が必要である。

手当・処置の種類

①応急手当:救急隊員や医師、看護師などの医療従事者が到着するまでに、家族や友人、通行人などが行う手当。

②救命手当:一般市民の行う救急の手当のうち、心肺蘇生法と止血法のこと。

③応急処置:日本医師会等によると、救急救命士以外の救急隊員が行う救急の処置。

④救急処置:医師や看護師、救急救命士が緊急時に行う処置。

🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽

記事内バナー

一次救命処置の要点まとめと概要

1:救助者が行う心肺蘇生法は胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを継続する。

2:人工呼吸を行う際には、顎先を持ち上げ、頭を後ろに反らして気道を確保する。

■一次救命処置の処理手順(市民用)

①安全確認

②反応はあるか?

→あり:具合を尋ねる

→なし・判断に迷う:③へ

③大声で応援を呼ぶ
119番通報・AED依頼
通信指令員の指導に従う

④普段どおりの呼吸はあるか?

→あり:様子をみながら応援・救急隊を待つ

→なし・判断に迷う:⑤へ

⑤ただちに胸骨圧迫を開始する

  • 強く(約5cm)※1
  • 速く(100~120回/分)
  • 絶え間なく(中断を最小にする)

※1 小児は胸の厚さの約1/3

⑥人工呼吸の技術と意思があれば

胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合せ

⑦AED装着

心電図解析:電気ショックは必要か?

→必要あり:電気ショック ショック後ただちに胸骨圧迫から再開※2

→必要なし:ただちに胸骨圧迫から再開※2

※2 強く、速く、絶え間なく胸骨圧迫を

⑧救急隊に引き継ぐまで、または傷病者に普段どおりの呼吸や目的のある仕草が認められるまで続ける

安全の確認

心停止や、心停止に至る可能性の高い気道閉塞が起きた傷病者に対して行う救命処置を一次救命処置という。

市民救助者がこうした現場に遭遇した際には、最初に周囲の安全確認を行う。このとき、安全が確保されていないと判断した場合には、傷病者には接触せず、消防や救急等の到着を待つ。

119番通報

大声で叫んで周囲の注意を喚起し、できるだけ複数の援助者を集め、119番通報とAEDの手配を依頼する。なお、反応の有無に迷った場合も119番に通報し、指示に従う。

呼吸の確認と心停止の判断

傷病者に反応がない場合には、胸と腹部の動きを見て呼吸の有無を確認する。

呼吸がないか、呼吸はあるが普段通りではない場合、あるいはその判断に迷う場合は心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を開始する(「心停止の場合の対応」の項へ)。呼吸の確認は10秒以内に行う。

傷病者に普段通りの呼吸を認める時は、傷病者の呼吸状態の観察を続けつつ、救急隊の到着を待つ。

心停止の場合の対応

(1)胸骨圧迫のみ行う心肺蘇生

救助者は、傷病者をあおむけにし、その胸の横にひざまずき、直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生(CPR:CardioPulmonaryResuscitation)を開始する。

胸骨圧迫の部位は、胸骨の下半分とする。圧迫の深さは、胸が約5cm沈むようにし、6cmを超えないようにする(小児の場合は胸の厚さの約1/3)。1分間当たり100~120回のテンポで行う。毎回の圧迫の後には完全に胸を元の位置に戻す。

救助者が複数いる場合、1~2分ごとを目安に胸骨圧迫の役割を交代する。

(2)人工呼吸を併用する心肺蘇生

救助者が人工呼吸の訓練を受けており、それを行う技術と意思がある場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を30:2の比で行う。

特に小児の心停止では、人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望ましい。

人工呼吸を行う際には気道確保が必要であり、その際には顎先を持ち上げ、頭を後ろに反らす「頭部後屈顎先挙上法」で行う。

1回換気量の目安は、傷病者の胸の上がりが確認できる程度とする。

AED(自動体外式除細動器)到着後

AEDによる解析が開始されたら、音声メッセージに従い電気ショックを行う。

電気ショック後は直ちに胸骨圧迫を再開し、救急隊に引き継ぐまで、又は傷病者に普段どおりの呼吸等が認められるまで続ける。

食中毒の要点まとめと概要

1:サルモネラ菌による食中毒は感染型である。汚染された食肉、鶏卵等が原因となる。

2:黄色ブドウ球菌は熱、乾燥に強い毒素をつくる。これによる食中毒は、毒素型である。

3:ボツリヌス菌による毒素は神経毒である。

4:腸炎ビブリオは病原性好塩菌ともいわれる。

■原因別食中毒

食中毒の種類感染経路・感染原因原因菌等
細菌性食中毒感染型食品付着細菌が腸管内で増殖腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、病原性大腸菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター等
毒素型細菌が産生した毒素に汚染した食品黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌
ウイルス性食中毒ウイルスに汚染された食品ノロウイルス
自然性食中毒動物性毒素を持った動物フグ、毒化した貝類
植物性毒素を持った植物毒キノコ、ジャガイモの芽、トリカブト
化学性食中毒有毒化学物質が混入した食品ヒスタミン、砒素、農薬、有害性金属

食中毒の3大原因

①細菌性・ウイルス性食中毒:微生物が食品中に混入して起こるもの。

②化学性食中毒:ヒスタミン、メタノール、砒素、シアン化合物など。

③自然毒:フグ(テトロドトキシン)、毒キノコ、トリカブト、一部の貝など。

食中毒の原因になる主な微生物

①細菌性食中毒

・感染型:サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、赤痢菌、コレラ菌、病原性大腸菌、カンピロバクター、ウェルシュ菌等。腸管出血性大腸菌(O-157やO-111など)は、飲食物を介した経口感染で、ベロ毒素(赤痢菌と類似の毒素)を出し、出血性の下痢を引き起こす。

・毒素型:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌等。

②ウイルス性食中毒:食中毒の原因としてはノロウイルスによるものが多く、11月から2月の冬季に発生することが多い。潜伏期間は、1~2日間である。手指や食品を介して経口感染し、ヒトの腸の中で増殖、嘔吐や下痢などを起こす。

主な細菌性食中毒

細菌名菌の特徴原因食品症状[潜伏期間]予防
サルモネラ菌感染型
ネズミ、ハエ、ゴキブリ、ペット類も汚染源
熱に弱く、低温、乾燥に強い
肉、卵類及びその加工品
調理器具等から汚染された食品
下痢、腹痛、発熱、頭痛、嘔気、嘔吐[6~72時間]食肉類の生食を避け、十分加熱
冷蔵庫内での2次感染を防ぐ
検便の実施
手指の洗浄消毒
腸炎ビブリオ
(病原性好塩菌)
感染型
好塩性を有し塩分2~5%でよく発育し真水に弱い
海産性の生鮮魚介類(すし、刺身)及びその加工品
主に塩分のある2次的汚染食品
下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、発熱[8~24時間]漁獲から消費まで一貫低温管理
2次汚染防止
加熱処理
魚介類は調理前によく水洗い
黄色ブドウ球菌
(毒素:エンテロトキシン)
毒素型
人や動物の化膿巣や鼻咽喉等に広く分布
熱、乾燥に強い
弁当など穀類の加工品、菓子類短時間に嘔気、嘔吐、下痢、腹痛[30分~6時間]化膿巣のある者の調理取扱いを禁止
手指の洗浄消毒の励行
ボツリヌス菌
(毒素:ボツリヌストキシン)
毒素型(神経毒)
菌は熱に強いが毒素は120℃数分の加熱で失活する
びん詰、缶詰、真空包装食品など脱力感、けん怠感、めまい、嘔気、嘔吐、便秘、重篤な場合は各種神経障害[8~36時間]新鮮な材料、洗浄、加熱
製造中、保存中にバター臭がする物は廃棄

熱中症の要点まとめと概要

1:発汗により大量の塩分が失われたところに、水分だけを補給すると、血中の塩分濃度が低下して熱痙攣が起きる。

2:熱射病の応急処置は、体表の冷却により早急に体温を下げる処置を行う。首、脇の下、足の付け根の直接冷却が有効である。

■身体作業強度等に応じたWBGT基準値(参考)

区分身体作業強度(代謝率レベル)の例WBGT基準値(℃)
暑熱順化者暑熱非順化者
0
安静
安静、楽な座位3332
1
低代謝率
軽い手作業(書く、タイピング、描く、縫う、簿記)、手及び腕の作業(小さいペンチツール、点検、組立て又は軽い材料の区分け)等
2.5km/h以下での平たんな場所での歩き 等
3029
2
中程度代謝率
継続的な手及び腕の作業(くぎ打ち、盛土)、腕及び脚の作業(トラックのオフロード運転、トラクター及び建設車両)、腕と胴体の作業(空気圧ハンマーでの作業、中くらいの重さの材料を断続的に持つ作業、草むしり、除草、果物及び野菜の収穫)、軽量な荷車及び手押し車を押し引き
2.5~5.5km/hでの平たんな場所での歩き 等
2826
3
高代謝率
強度の腕及び胴体の作業(重量物の運搬、ショベル作業、ハンマー作業)、硬い木へのかんな掛け又はのみ作業、草刈り、掘る
5.5~7km/hでの平たんな場所での歩き 等
2623
4
極高代謝率
最大速度の速さでのとても激しい活動、おのを振るう、激しくシャベルを使ったり掘ったりする、階段を昇る、平たんな場所で走る、7km/h以上で平たんな場所を歩く2520

出典:厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」を基に作成

※暑熱順化者とは、「評価期間の少なくとも1週間以前から同様の全労働期間、高温作業条件(又は類似若しくはそれ以上の極端な条件)にばく露された人」をいう。

熱中症の重症度と症状

[Ⅰ度]

熱により、皮膚血管の拡張から血圧が低下し、脳への血流が一時的に減少することで、めまい、立ちくらみなどから熱失神を起こす。脈拍が速くて弱い状態になる。なお、熱虚脱でも同様の症状をきたす。大量の発汗に対し水分だけを補給すると、血液中の塩分濃度が不足し、筋肉のこむら返りや熱痙攣を起こす。

[Ⅱ度]

大量発汗により、水分不足から循環血液量が減少し、各器官に血液が十分送られなくなる。集中力が低下し、頭痛、吐き気、嘔吐などが起こり、放置すると致命的な熱射病にいたる。

[Ⅲ度]

深部体温39.9℃以下で、手足の運動障害や肝臓・腎臓機能障害、血液凝固異常まで生じた状態である。ふらつき、意識障害、全身の痙攣(ひきつけ)などが現れる。

[qⅣ度]

表面体温が40.0℃以上もしくは皮膚に明らかな熱感があり、重篤な意識障害がある。早急に深部体温を測定し、重症度を判定し、治療を実施する。

[Ⅳ度]

深部体温40.0℃以上で重篤な意識障害がみられる。アクティブ・クーリング(何らかの方法で熱中症患者の身体を冷却すること)を含めた早急な治療が必要。

WBGT指数

WBGT(単位:℃)の値は、熱ストレスの評価を行う暑さ指数である。

◆日射がない場合

WBGT=0.7Twb+0.3Tg

◆日射がある場合

WBGT=0.7Twb+0.2Tg+0.1Tdb

[Twb:自然湿球温度(℃)、Tg:黒球温度(℃)、Tdb:乾球温度(℃)]

WBGT値が高いほど危険率は高くなり、冷房等によって作業場所のWBGT値の低減、身体作業強度(代謝率レベル)の低い作業に変更すること等の熱中症対策が必要だが、無理な場合はスポーツ競技なども続けてはならない(要点まとめ参照)。

職場における熱中症の救急処置

労働者を高温多湿作業場所において作業に従事させる場合、労働者の熱中症発症に備え、あらかじめ、病院、診療所等の所在地及び連絡先を把握するとともに、緊急連絡網を作成し、関係者に周知する。熱中症を疑わせる症状が現れた場合は、救急処置として涼しい場所で身体を冷やし、水分及び塩分の補給等を行う。必要に応じ、救急隊の要請や医師の診察を受けさせる。

熱傷(やけど)の要点まとめと概要

1:傷病者の症状は、やけどの部分が「赤い(Ⅰ度)」のか、「水疱の状態(Ⅱ度)」か、「白色化(Ⅲ度)」かで状態を判断する。

2:熱傷がⅠ度で着衣からの熱傷の場合は、衣類は脱がさず衣類ごと冷やす。熱傷範囲が広い場合、又は子供や高齢者は低体温症のおそれがあるため冷やし過ぎに注意する。

3:熱傷がⅡ度の場合、水疱を破らず冷やす。熱傷部分には軟膏など薬品は塗ってはならない。

■熱傷深度による分類と症状

熱傷深度症状治療期間
Ⅰ度(表皮)発赤、紅斑、疼痛3~4日
Ⅱ度(真皮浅部)水疱、灼熱感、知覚鈍麻1~2週間
Ⅲ度(真皮深部)4~5週間
Ⅲ度(全層)血管・神経破壊、蒼白、炭化1か月以上

※低温熱傷:カイロや湯たんぽ等の低温熱源で長時間の直接接触により発生する熱傷

労働災害の熱傷で多いのは、化学薬品、高圧電流、放射線などが原因のものである。

熱傷の対処には「まず冷やす」こと。さらに重度の場合、冷やすことに時間をかけず、できるだけ早く医師の処置を受けることである。

熱傷(深さ)の分類と症状

熱傷の深さ(皮膚の状態)により、症状が3段階に分けられる(要点まとめ参照)。

[Ⅰ度] 表皮のみで、皮膚がひりひりして赤くなる。

[Ⅱ度] 真皮まで達し、水疱(水ぶくれ)ができる。真皮の浅い部分でできる赤い水疱と深い部分まで白くなるものがある。

[Ⅲ度] 皮膚の全層に達するもので、炭化又は壊死して白色になる。感覚がなくなり痛みを感じない。後遺症が残る場合もある。

重症度の分類

熱傷の程度は、熱傷の深さとⅡ度・Ⅲ度の体表面積の広さから判断される。

[軽症] 特殊部位(顔・手・生殖器等)を含まない、Ⅱ度15%未満、又はⅢ度2%未満の範囲。

[中等症] 特殊部位を含まない、Ⅱ度15~30%、又はⅢ度2~10%。

[重症] Ⅱ度30%以上、又はⅢ度10%以上。特殊部位のやけど、気道熱傷、化学薬品や電気によるものがある。

※気道熱傷:火災や爆発事故で高温の煙・水蒸気などを吸入して起こる呼吸器系障害。

◆熱傷の広さ

やけどの面積を概算する方法に、傷病者の手のひら大を体表面積の1%として調べる手掌法、頭部・上肢を9%として計算する9の法則などがある。

対処の主要ポイント

傷病者の症状は、やけどの部分が「赤い(Ⅰ度)」のか、「水疱の状態(Ⅱ度)」か、「白色化(Ⅲ度)」かで状態を判断する。

(1)Ⅰ度の場合

・冷水で15分以上、痛みがなくなるまでまず冷やす。

・着衣からの熱傷の場合は、衣類は脱がさず衣類ごと冷やす。

・熱傷範囲が広い場合、又は子供や高齢者は低体温症のおそれがあるため冷やし過ぎに注意する。

(2)Ⅱ度の場合

・水疱を破らず冷やす。熱傷部分には軟膏など薬品は塗ってはならない。

(3)Ⅲ度の場合

・広範囲の場合はシーツ等で、狭い範囲の場合はガーゼやタオル等で包む。

(4)化学薬品等の場合

・衣服や靴などを早く取り除く。体についた薬品を冷水等で20分以上洗い流す。

以上

🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽

記事内バナー
追尾型バナー_PC正方形
追尾型バナー_SP下部