
今回は衛生管理者試験1種・2種のことを熟知している衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者の試験範囲の1つである休養・記録の作成・報告・有機溶剤設備・有機溶剤定期自主検査を取り上げます。
試験に出やすいポイントをわかりやすく整理しているので、衛生管理者試験を受験予定の人はぜひ参考にしてください。
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休養の要点まとめと概要
1:常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
2:睡眠又は仮眠の場所を設けるときは、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
■休養室の設置
常時使用労働者数 | 男女別休養室設置義務 |
男性・女性合計して50人以上 | あり |
男性30人以上(男女計50人未満) | なし |
女性30人以上 | あり |
休憩設備
事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない(則613条)。
これは事業者の努力義務であるから、必ず設けなければならないというわけではなく、休憩の設備を設けるよう努力する義務を課しているものである。
有害作業場の休憩設備
事業者は、著しく暑熱、寒冷又は多湿の作業場、有害なガス、蒸気又は粉じんを発散する作業場その他有害な作業場においては、作業場外に休憩の設備を設けなければならない。
ただし、坑内等特殊な作業場でこれによることができないやむを得ない事由があるときは、休憩の設備を設けなくてもよい(則614条)。
立業のための椅子
事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしば座ることができる機会があるときは、当該労働者が利用することができる椅子を備えなければならない(則615条)。
睡眠又は仮眠の設備
事業者は、夜間に労働者に睡眠を与える必要があるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会があるときは、適当な睡眠又は仮眠の場所を男性用と女性用に区別して設けなければならない(則616条1項)。
睡眠又は仮眠の設備は、使用する労働者数にかかわらず、男性用と女性用に区別して設ける必要がある。
睡眠又は仮眠の場所には、寝具、かや、その他必要な用品を備え、かつ、疾病感染を予防する措置を講じなければならない(則616条2項)。
発汗作業に関する措置
事業者は、多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるために塩及び飲料水を備えなければならない(則617条)。
休養室
事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない(則618条)。
男女合わせて常時50人以上の労働者を使用する事業者は、例えば、女性労働者が2~3人の場合であっても、男性用と女性用に区別して設けなければならないことになる。
その他
労働者の疲労の回復を図るため、厚生労働省の指針では、①職場における疲労やストレス等に関する相談窓口を設けること、②運動施設の設置、敷地内に緑地を設けることなどを掲げている(平成4年7月1日労告59号)。
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記録の作成・報告等の要点まとめと概要
1:常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断を行ったときは、遅滞なく、その結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
2:安衛法の規定による健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成してこれを5年間保存しなければならない。
3:労働者死傷病報告は、派遣労働者が被災した場合にも報告義務がある。
■健康診断関係その他の事業者の義務等
<健康診断>
・個人票作成→5年間保存等
・定期健康診断について常時50人以上の労働者を使用する事業者→所轄労基署長に結果を報告
<安全衛生教育・作業環境測定・換気設備の点検>
・記録の作成→3年間保存
<労働者死傷病報告>
・休業4日以上→遅滞なく所轄労基署長に報告
・休業4日未満→四半期ごとに所轄労基署長に報告
安衛法は事業者が職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律で、そのための各種措置を事業主に義務づけ、記録の作成・保存及び報告を求めている。主要なものは以下のとおり。
作成する記録報告書等 | 保存期間 | 関連条文 | 報告先 | |
---|---|---|---|---|
健康診断 | 定期健康診断結果報告書※1 | 5年 | 則52条 | 労基署長 |
①診断結果の個人票※2 ②リスクアセスメント対象物診断個人票 | 5年※2 | 則51条 則577条の2 | ― | |
面接指導 | 面接指導個人記録 | 5年 | 則52条の6 | ― |
ストレスチェック※3 | 検査結果の記録等(1年以内ごと1回実施) | 5年 | 則52条の11 則52条の21 | 労基署長 |
特別の安全衛生教育 | 実施記録 | 3年 | 則38条 | ― |
衛生委員会 | 議事録(原則毎月1回開催) | 3年 | 則23条4項 | ― |
作業環境測定※4 | 測定記録(2月以内ごと1回実施) | 3年 | 事務所則7条 | ― |
換気設備点検 | 点検記録(2月以内ごと1回実施) | 3年 | 事務所則9条 | ― |
照明設備点検 | (6月以内ごと1回実施) | 保存不要 | 則605条2項 | ― |
(労働中の死傷病) 死傷病報告※5 | 休業4日以上[遅滞なく報告] | 則97条 | 労基署長 | |
休業4日未満[四半期ごとに報告] |
※1:常時50人以上の労働者を使用する事業者が作成する。
※2:②のがん原性物質については30年間保存する。
※3:ストレスチェック(心理的負担程度の把握検査)は常時50人以上の労働者を使用する事業者が実施する。
※4:中央管理方式の空気調和設備を設けている室で事務所の用に供されているものの作業環境測定(令21条5号)。
※5:派遣労働者が派遣中に労働災害により休業した場合の「死傷病報告」の報告義務者は派遣元、派遣先双方の事業者で、報告先はそれぞれの事業者の所轄労基署長宛となる(派遣法45条15項)。
健康診断・面接指導等の検査、指導等に従事した者はその実施に関し知り得た秘密を漏らしてはならない(法105条)。
有機溶剤設備等の要点まとめと概要
1:第1種又は第2種有機溶剤等に係る有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、1.有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、2.局所排気装置、又は3.プッシュプル型換気装置を設けなければならない。
2:有機溶剤を入れたことがあるタンクの内部で作業を行うときは、労働者に送気マスクを使用させなければならない(有機則32条)。
■有機溶剤取扱業務に関する設備等
<第1種有機溶剤・第2種有機溶剤>
発散源密閉設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置
<第3種有機溶剤>
タンク等の内部の業務に関し、発散源密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のほか、吹付けの業務以外の場合は、全体換気装置でも可
■局所排気装置の性能
型式 | 制御風速 |
---|---|
囲い式フード | 0.4m/s |
外付け式フード | ― |
①側方吸引型 | 0.5m/s |
②下方吸引型 | 0.5m/s |
③上方吸引型 | 1.0m/s |
有機溶剤の種別
有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称であり、塗装、洗浄、印刷等の作業に幅広く使用されている。有機溶剤は常温では液体だが、揮発性が高いため、蒸気となって作業者の皮膚や呼吸を通じて体内に吸収されやすく、がん等の健康障害を引き起こす。
第1種有機溶剤 |
1・2-ジクロルエチレン(別名:二塩化アセチレン)、二硫化炭素 計2物質 |
第2種有機溶剤 |
アセトン、イソブチルアルコール他 計35物質 |
第3種有機溶剤 |
ガソリン、石油ナフサ他 計7物質 |
特別有機溶剤
平成26年8月の政令・省令の改正で、発がん性が高いクロロホルム他9物質が、有機溶剤から特定化学物質の第2類物質に移行され、クロロホルム他9物質にエチルベンゼン、1・2-ジクロロプロパンをあわせて「特別有機溶剤」と称され、特定化学物質と同様の規制が適用されることになった。しかし、発散抑制措置、呼吸用保護具等に関しては有機則の適用を受ける。
設備
(1)第1種及び第2種有機溶剤業務
事業者は、屋内作業場等において第1種有機溶剤等(特別有機溶剤を含む。以下同じ)又は第2種有機溶剤等に係る有機溶剤業務(有機溶剤を入れたことがあるタンクの内部における業務を除く)に労働者を従事させるときは、①有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、②局所排気装置又は③プッシュプル型換気装置(排気口の高さが屋根から1.5m以上のもの)を設けなければならない。
(2)第3種有機溶剤業務
(a)タンク内において吹付けによる第3種有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、①有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、②局所排気装置又は③プッシュプル型換気装置を設けなければならない(有機則6条2項)。
(b)吹付けによる業務以外の第3種有機溶剤業務を行う場合は、上記(a)①~③に加えて④全体換気装置のいずれかを設置すればよい(有機則6条1項)。
(3)送気マスクの使用
次のいずれかの業務に労働者を従事させるときは、労働者に送気マスクを使用させなければならない(有機則32条1項)。
(a)有機溶剤(第1種~第3種)を入れたことがあるタンクの内部における業務。
(b)タンクの内部において有機溶剤業務に従事させる時間が短時間であり、かつ、上記(2)の①~④の装置等を設けないとき。
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有機溶剤定期自主検査等の要点まとめと概要
1:第1種有機溶剤等は赤、第2種有機溶剤等は黄、第3種有機溶剤等は青の色分けをしなければならない。
2:排気口の高さは、屋根から1.5m以上としなければならない。
3:有機溶剤業務に係る作業環境測定は6か月以内ごとに1回、定期に行い、記録を3年間保存しなければならない。
■有機溶剤業務に関するまとめ
【有機溶剤中毒予防規則】
<設備>
・排気装置・換気装置
・定期自主検査…1年以内ごとに
<環境>
・作業環境測定…6か月以内ごとに
<表示>
・赤・黄・青の色分け
<人>
・作業主任者の選任…技能講習修了者のうちから選任
・健康診断…雇入れ・配置替えの際及び6か月以内ごとに
定期自主検査
(1)自主検査:事業者は、局所排気装置及びプッシュプル型換気装置について、1年以内ごとに1回、定期に、一定の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しない装置について当該使用しない期間中は、この規定を適用しない(有機則20条、20条の2)。
(2)保存:事業者は、自主検査を行ったときは、一定の事項を記録し、これを3年間保存しなければならない(有機則21条)。
有機溶剤等の区分の表示
有機溶剤は、揮発性、脂溶性、引火性の液体で、毒性の強い順に第1種(特別有機溶剤を含む。以下同じ)~第3種に分類される。
有機溶剤は、次の区分により色分けしなければならない(有機則25条2項)。
第1種有機溶剤等 | 赤 |
第2種有機溶剤等 | 黄 |
第3種有機溶剤等 | 青 |
作業環境測定
(1)測定:事業者は、有機溶剤業務(第3種有機溶剤を除く)を行う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に、当該有機溶剤の濃度を測定しなければならない(有機則28条2項)。
(2)保存:測定を行ったときは、その都度一定の事項を記録し、これを3年間保存しなければならない(有機則28条3項)。
換気装置の性能等
事業者は、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、全体換気装置又は排気管等の排気口を直接外気に向かって開放しなければならない(有機則15条の2第1項)。
空気清浄装置を設けていない局所排気装置若しくはプッシュプル型換気装置又は排気管等の排気口の高さを屋根から1.5m以上としなければならない。
ただし、当該排気口から排出される有機溶剤の濃度が厚生労働大臣の定める濃度に満たない場合は、この基準を適用しない(有機則15条の2第2項)。
作業主任者
事業者は、有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものに係る作業については、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、有機溶剤作業主任者を選任しなければならない(有機則19条)。
空容器の処理
有機溶剤等を入れてあった空容器で有機溶剤の蒸気が発散するおそれのあるものについては、容器を密閉するか屋外の一定の場所に集積しておかなければならない(有機則36条)。
以上
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