
衛生管理者試験1種・2種について日本一詳しい自信のある衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者の特殊健康診断とは何かについて解説していきます。
健康診断実施後の措置も合わせて解説するので、衛生管理者試験を受験予定の人はぜひ最後までお読みください。
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特殊健康診断の要点まとめと概要その1
1:有害な業務で政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行わなければならない。
2:「有害な業務で政令で定めるもの」とは、高圧室内作業及び潜水業務等計8業務があり、それぞれ個別の規則が設けられている。
■特殊健康診断の概要
<有害業務従事者の健康診断>
・従事する労働者に対する特別項目健康診断(66条2項前段、雇入れ時・配置替え時・定期に)
└高圧室内作業及び潜水業務等計8業務(令22条1項)
・従事したことがある労働者に対する特別項目健康診断(66条2項後段、6か月又は1年以内ごとに)
└ベンジジン等発がん物質等の製造・取扱業務計38業務(令22条2項)
・従事する労働者に対する歯科医師健康診断(66条3項、雇入れ時・配置替え時・定期に)
└塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・弗化水素・黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス・蒸気又は粉じんを発散する場所における業務(令22条3項)
特殊健康診断
(1)対象者:事業者は、有害な業務で政令で定めるもの(下記(2)令22条1項に定める業務)に従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行わなければならない。
(2)政令で定める業務:次の業務である(令22条1項)。
1:高圧室内作業及び潜水業務
2:電離放射線業務
3:特定化学物質(注1)のうち第1類物質及び第2類物質(エチレンオキシド・ホルムアルデヒド及びその製剤等を除く)の製造・取扱業務(オーラミン・マゼンタ及びその製剤等を製造する事業場以外の事業場において、これらの物を取り扱う業務を除く)
4:石綿を取り扱う業務
5:製造等禁止物質(注2)を試験研究のために製造し取り扱う業務
6:鉛業務(隔離室において遠隔操作によって行う業務を除く)
7:四アルキル鉛等業務(隔離室において遠隔操作によって行う業務を除く)
8:屋内作業場等において有機溶剤を製造し取り扱う業務(第3種有機溶剤等では、タンク等の内部の業務に限る)
(注1)特定化学物質:第1類物質(ジクロルベンジジン等計8物質)、第2類物質(アクリルアミド等計61物質)及び第3類物質(アンモニア等計9物質)がある(令別表第3)
(注2)製造等禁止物質:黄りんマッチ、ベンジジン等計9物質が指定されている(令16条)
実施頻度の緩和
特殊健康診断は原則、雇入れ時、配置替え及び6か月に1回の実施が義務づけられているが、特化則(製造禁止物質、特別管理物質等除く)、有機則、鉛則、四アルキル則の一部の業務を除き、「直近3回の①作業環境測定結果が第一管理区分、②労働者ごとに健診結果に異常がないこと及び③軽微なものを除き作業方法に変更がない」の要件を満たす場合(四アルキル則は②③)、(事業者が労働者ごとに判断して)、実施を「6か月以内に1回」から「1年以内に1回」に緩和できる。
歯科医師による健康診断
(1)対象者:事業者は、有害な業務で政令で定めるもの(下記(2)の令22条3項に定める業務)に従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行わなければならない(66条3項、則48条)。
事業者は、上記健診結果を、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない(則52条2項)。
(2)政令で定める業務:塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務である(令22条3項)。
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特殊健康診断の要点まとめと概要その2
1:健康診断の結果に基づき個人票を作成する義務はすべての健康診断にあるが、所轄労働基準監督署長への報告書の提出義務は定期の健康診断に限られる。
2:健康診断の結果の記録保存は原則5年間であるが、電離放射線健康診断の記録保存は原則として30年間である。
■特殊健康診断
種類 | 実施間隔 | 記録の保存期間 |
---|---|---|
高気圧業務健康診断 | 6か月以内 | 5年間 |
電離放射線健康診断 | 6か月以内 | 30年間 |
除染等電離放射線健康診断 | 6か月以内 | 30年間 |
特定化学物質健康診断 | 6か月以内 | 5年間(注1) |
鉛健康診断 | 6か月以内(注2) | 5年間 |
四アルキル鉛健康診断 | 6か月以内 | 5年間 |
有機溶剤等健康診断 | 6か月以内 | 5年間 |
石綿健康診断 | 6か月以内 | 40年間 |
(注1)特別管理物質取扱業務については30年間
(注2)一定の業務は1年以内
高気圧業務健康診断
(1)対象者
事業者は、高圧室内業務又は潜水業務(以下、「高気圧業務」という)に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際、当該業務へ配置替えの際及び当該業務に就いた後6か月以内ごとに1回、定期に、一定の項目について医師による健康診断を行わなければならない(高圧則38条)。
(2)検査項目
1:既往歴及び高気圧業務歴の調査
2:関節、腰若しくは下肢の痛み、耳鳴り等の自覚症状又は他覚症状の有無の検査
3:四肢の運動機能の検査
4:鼓膜及び聴力の検査
5:血圧の測定並びに尿中の糖及び蛋白の有無の検査
6:肺活量の測定
(3)保存
事業者は、上記(1)の健康診断の結果に基づき、高気圧業務健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない(高圧則39条)。
(4)報告・通知
事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、高気圧業務健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長へ提出しなければならない(高圧則39条の3、40条)。
電離放射線健康診断
(1)対象者
事業者は、放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、一定の項目について医師による健康診断を行わなければならない(電離則56条)。
(2)検査項目
1:被ばく歴の有無の調査及びその評価
2:白血球数及び白血球百分率の検査
3:赤血球数の検査及び血色素量又はヘマトクリット値の検査
4:白内障に関する眼の検査
5:皮膚の検査
(3)保存
事業者は、上記(1)の健康診断の結果に基づき、電離放射線健康診断個人票を作成し、これを30年間保存しなければならない。ただし、当該記録を5年間保存した後において厚生労働大臣の指定する機関に引き渡すときは、この規定は適用されない(電離則57条)。
(4)報告・通知
事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、電離放射線健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長へ提出しなければならない(電離則57条の3、58条)。
※除染等電離放射線健康診断も同内容
特殊健康診断の要点まとめと概要その3
1:所轄労働基準監督署長への定期健康診断報告書の提出義務は、一般健康診断の場合は常時使用する労働者数が50人以上の事業者に限られるが、特殊健康診断では使用する労働者数にかかわらず一定の有害業務に従事させる事業者すべてに課せられている。
2:定期に行う健康診断は原則として6か月以内ごとに行わなければならない。
■特殊健康診断の主な検査項目
種類 | 主な検査項目 |
---|---|
高気圧業務健康診断 | 耳鳴り等の自覚症状、聴力の検査、肺活量の測定 |
電離放射線健康診断 | 白血球数検査、赤血球数検査、血色素量又はヘマトクリット値の検査 |
除染等電離放射線健康診断 | |
特定化学物質健康診断 | 取り扱う物質の種類に応じて定められている |
鉛健康診断 | 血液中の鉛の量の検査、尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査 |
四アルキル鉛健康診断 | 血液中の鉛の量の検査、尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査 |
有機溶剤等健康診断 | 既往歴の有無の検査、尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査 |
石綿健康診断 | 胸部X線直接撮影による検査 |
特定化学物質健康診断
(1)対象者:事業者は、第1類物質及び第2類物質(エチレンオキシド及びその製剤等を除く。)の製造・取扱業務(オーラミン・マゼンタ及びその製剤等を製造する事業場以外の事業場において、これらの物を取り扱う業務を除く)又は製造等禁止物質を試験研究のために製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後原則として6か月以内ごとに1回、定期に、一定項目について医師による健康診断を行わなければならない(特化則39条)。
(2)検査項目:取り扱う物質の種類に応じて、定められている。
(3)保存:事業者は、上記(1)の健康診断の結果に基づき、特定化学物質健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない。ただし、特別管理物質(注)の製造・取扱業務にあっては、当該労働者が当該事業場において当該業務に従事することとなった日から30年間保存することとされている(特化則40条)。
(注)特別管理物質:令別表第3の第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く。)、第2類物質のうち塩化ビニル等17物質、令別表第1に掲げる爆発性・発火性等がある危険物のうち一部をいう。
(4)報告・通知:事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、特定化学物質健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長へ提出しなければならない(特化則40条の3、41条)。
石綿健康診断
(1)対象者:事業者は、石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造又は石綿分析用試料等の製造で石綿の粉じんを発散する業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際又は当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、一定の項目について医師による健康診断を行わなければならない(令22条1項3号、石綿則40条1項)。
(2)検査項目
①業務の経歴の調査、②石綿によるせき・たん・息切れ・胸痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査、③せき・たん・息切れ・胸痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査、④胸部X線直接撮影による検査
(3)保存:事業者は、(1)の健康診断の結果に基づき石綿健康診断個人票を作成し、これを当該業務に従事しなくなってから40年間保存しなければならない(石綿則41条)。
(4)報告・通知:事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、石綿健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
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特殊健康診断の要点まとめと概要その4
1:四アルキル鉛健康診断は、6か月(他の特殊健康診断も6か月)以内ごとに行わなければならない。
2:鉛健康診断、四アルキル鉛健康診断とも所轄労働基準監督署長に報告書を提出しなければならない。
■鉛健康診断と四アルキル鉛健康診断の実施間隔等
比較項目 | 鉛健康診断及び四アルキル鉛健康診断 |
---|---|
実施間隔 | 6か月以内 |
主な検査 | 血液中の鉛の量、尿中のデルタアミノレブリン酸の量 |
記録の保存 | 5年間 |
労働者への通知 | 要 |
監督署への報告 | 要(遅滞なく) |
※四アルキル鉛の就業禁止:鉛の就業禁止と同様である(四アルキル鉛則26条)。
鉛健康診断
(1)対象者:事業者は、鉛業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6か月(一定の業務は1年)以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならない(鉛則53条)。
(2)検査項目
1:業務の経歴の調査
2:作業条件の簡易な調査
3:鉛による自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の検査並びに5及び6に掲げる項目についての既往の検査結果の調査
4:鉛による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査
5:血液中の鉛の量の検査
6:尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査
(3)保存:事業者は、上記(1)の健康診断の結果に基づき、鉛健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない(鉛則54条)。
(4)報告・通知:事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、鉛健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない(鉛則54条の3、55条)。
(5)就業禁止:鉛中毒にかかっている労働者及び健康診断の結果、適当でないと医師が認めた者を鉛業務に従事させてはならない(鉛則57条)。
じん肺法によるじん肺健康診断
(1)じん肺健康診断の種類
じん肺健康診断には、次の種類がある(じん肺法7条~9条の2)。
①就業時健康診断:新たに常時粉じん作業に従事することとなった者が対象。
②定期健康診断:じん肺管理区分に応じて1年~3年以内ごとに定期に行う。
③定期外健康診断:一般健康診断において、じん肺の所見があるか、じん肺にかかっている疑いがあると診断されたときに行う。
④離職時健康診断:常時粉じん作業に一定期間従事していた労働者が離職の際に、じん肺健康診断を行うよう求めたときに行う。
(2)検査項目
じん肺健康診断の検査項目は次の通りである(じん肺法3条)。
1:粉じん作業についての職歴の調査
2:直接撮影による胸部全域のX線写真による検査
3:胸部に関する臨床検査
4:肺機能検査
5:結核精密検査
6:結核以外の合併症に関する検査
特殊健康診断の要点まとめと概要その5
1:有機溶剤等健康診断では、検査項目の中に尿中の代謝物の量等の検査が含まれる。
2:有機溶剤等健康診断を行ったときには、受診者の人数にかかわりなく、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
■有機溶剤の種類別特徴(〇=必要 ×=必要なし)
第1種有機溶剤 | 第2種有機溶剤 | 第3種有機溶剤 | |
---|---|---|---|
色別区分表示 | 赤 | 黄 | 青 |
代表的な物質 | ・二硫化炭素 (特別有機溶剤含む) | ・エチルエーテル ・トルエン (特別有機溶剤含む) | ・ガソリン ・石油ナフサ ・テレビン油 |
特殊健康診断 | 〇 | 〇 | 〇(注) |
作業環境測定 | 〇 | 〇 | × |
作業主任者の選任 | 〇 | 〇 | 〇 |
平成26年8月の政令・省令の改正により、クロロホルム他9物質の有機溶剤(第1種の5物質、第2種の5物質)は、「特別有機溶剤」として特定化学物質第2類物質に移行した。
(注)第3種有機溶剤等の場合は、タンク等の内部における業務に常時従事する者に限る(有機則29条1項)。
有機溶剤等健康診断
(1)対象者:事業者は、屋内作業場等における有機溶剤業務(有機溶剤の許容消費量を超えない業務を除く)に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、一定の項目について医師による健康診断を行わなければならない(有機則29条2項)。
(2)検査項目
1:業務の経歴の調査
2:作業条件の簡易な調査
3:有機溶剤による健康障害の既往歴並びに自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の検査等
4:有機溶剤による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査
(3)保存:事業者は、上記(1)の健康診断の結果に基づき、有機溶剤等健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない(有機則30条)。
(4)報告・通知:事業者は、遅滞なく、健康診断の結果を労働者に通知するほか、有機溶剤等健康診断結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない(有機則30条の2の2、30条の3)。
(5)緊急診断:労働者や請負人が有機溶剤により著しく汚染され、又はこれを多量に吸入したときは、速やかに医師による診察又は処置を受けさせなければならない(有機則30条の4)。
特別有機溶剤等従事者等
特別有機溶剤については、発がん性に着目し、記録の保存期間の延長や作業記録の作成等の措置を講じる必要があることから有機則より特化則に移行、規定されたが、現在の作業従業員に関しては、有機溶剤の健康診断が必要とされ、有機則が準用される。また、特別有機溶剤と有機溶剤との合計含有率が重量の5%を超える場合は有機溶剤の特殊健康診断項目が適用される。
生物学的モニタリング
有機溶剤に関する特殊健康診断の一部では、有機溶剤が肝臓で代謝されて、尿中に出現する尿中代謝物を測定しなければならない。このような有害物質のばく露状態や健康への影響を生体試料によって測定することを生物学的モニタリングという。
具体的には、有害物質にばく露された労働者の尿、血液等を採取し、この中に含まれる有害物質の濃度や代謝物を測定し、その健康への影響度を評価する。
尿の採取は代謝物の濃度が最も高くなる時期に行うのが望ましい。体内に取り込まれた有害物質の生物学的半減期は、有機溶剤は短く、鉛は長い。このため有機溶剤等健康診断における採尿時期は、鉛の場合と比べ、厳重なチェックを要する。
健康診断実施後の措置等の要点まとめと概要
1:事業者は、健康診断の結果、異常があると診断された労働者について、当該労働者の健康を保持する措置に関し医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。
2:労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して定める一定の要件に該当する労働者に対し、医師による面接指導を行わなければならない。
【健康診断実施後の措置】
<医師等からの意見聴取(66条の4、則577条の2)>
・健康診断実施後3か月以内に医師等の意見を健康診断個人票に記録(則51条の2)
<健康診断実施後の措置(66条の5、則577条の2)>
・就業場所の変更等
・作業環境測定の実施
・施設等の整備等
・衛生委員会等への報告
<健康診断の結果の通知(66条の6、則577条の2)>
・健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく(則51条の4)
<保健指導等(66条の7)>
・医師又は保健師による指導
医師等からの意見聴取
事業者は、健康診断(一般健康診断及び特殊健康診断)の結果、異常があると診断された労働者について、当該労働者の健康を保持する措置に関し、健康診断実施後3か月以内に医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。
事業者は、医師等から、意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報(作業環境、労働時間、作業負荷の状況等)を求められたときは、速やかに、これを提供しなければならない。
医師等の意見は、健康診断個人票に記録しておかなければならない(66条の4、則51条の2)。
健康診断実施後の措置
事業者は、前述の規定による医師又は歯科医師の意見を勘案し必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業転換、労働時間の短縮等の措置を講ずるほか、次の措置を講じなければならない(66条の5第1項)。
1:作業環境測定の実施
2:施設又は設備の設置・整備
3:医師又は歯科医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告
健康診断の結果の通知
事業者は、健康診断(一般健康診断及び特殊健康診断)を受けた労働者に対しては、遅滞なく、当該健康診断の結果を通知しなければならない(66条の6)。
※リスクアセスメント対象物健康診断についても、上記の意見聴取、実施後の措置、結果の通知では同様の規定がある(則577条の2)。
保健指導等
健康診断(一般健康診断)の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対しては、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければならない(66条の7)。
<保健指導の内容>
・栄養指導:必要とされる者に対して、栄養の摂取量から個々人の食習慣の改善まで指導を行う。
・運動指導:必要とされる者に対して、個々の生活状況、身体活動レベル、趣味等を考慮し、効果的で実践的な指導を行う。
・生活指導:勤務形態や生活習慣が原因と考えられる健康上の問題を解決するため、睡眠・喫煙・飲酒等健康的な生活への指導・教育を職場活動を通じて行う。
健康診断の結果の記録
事業者は、健康診断の結果に基づき、医師等の意見を記載した健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならない(66条の3、則51条)。
※リスクアセスメント対象物健康診断個人票も5年間保存(がん原生物質は30年間、則577条の2第5項)。
以上
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