
本記事では、日本で一番衛生管理者試験1種・2種に詳しい自信のある衛生管理者マスターの私ヒロヤが、衛生管理者試験で出題される温熱環境と採光・照明・換気・二酸化炭素濃度を徹底解説していきます。
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温熱環境の要点まとめと概要その1
1:暑からず、寒からずの快適な温度を至適温度という。年齢・性別などで異なり、季節、被服、飲食物等によっても影響を受ける。
2:温熱感覚は、気温・湿度・気流・輻射熱(放射熱)の温熱4要素と代謝量・着衣量が関わっている。
3:実効温度は感覚温度ともいい、気温、湿度、気流の3要素で表す。
4:暑さ指数を示すWBGTは、自然湿球温度、黒球温度、乾球温度で求める。
■主な温熱計測器具と特徴
計測器具 | 計測対象 | 特徴等 |
---|---|---|
アウグスト乾湿計 | 気温、湿度 | 気流、輻射熱の影響を受けやすい |
黒球温度計 | 輻射熱 | 修正実効温度 |
アスマン通風乾湿計 | 気温、湿度 | 気流、輻射熱の影響を受けない |
カタ寒暖計 | 微弱な気流 | 気流による冷風力を計算し気流を推定する |
快適な温度
温熱環境とは、温度感覚を左右する環境のことであり、作業をする場所(室内等)が「暑くもなく寒くもなく」、作業をする上で生理的に快適に感じられる温度を至適温度という。
至適温度は、作業の内容・年齢・性別などで異なり、季節、被服、飲食物等によって影響を受ける。
温熱指標
温熱感覚は、環境側からみた気温・湿度・気流・輻射熱(放射熱)の温熱4要素と、人体側の代謝量・着衣量が関わっているとされる。これらによって作られる一定の温熱条件の尺度を温熱指標(又は温熱指数)という。
温熱指標の種類
①実効温度:気温、湿度、気流の3要素で表し、感覚温度ともいう。乾球温度、湿球温度、気流で求め、輻射熱は含まない。
②修正実効温度:実効温度(上記3要素)+輻射熱で表す。
③不快指数:乾球温度、湿球温度で求める。
④WBGT(湿球黒球温度):自然湿球温度、黒球温度、乾球温度で求める。
暑熱環境での熱ストレスを評価する指数(暑さ指数)で、高温職場の許容基準、スポーツ時や日常生活時の熱中症予防の指標として使用される。次のように、2つのパターンで算出する。
◆日射がある場合
WBGT=0.7Twb+0.2Tg+0.1Tdb
◆日射がない場合
WBGT=0.7Twb+0.3Tg
[WBGT指数(℃)、Twb:自然湿球温度(℃)、Tg:黒球温度(℃)、Tdb:乾球温度(℃)]
黒球温度計:温熱測定機器の一つで、輻射熱を吸収するように設計されている。図の、黒つや消しエナメルの球体・中空部分の温度で計測する。
◆熱の伝わり方
①伝導:物体の高温部から低温部に熱の移動が起こること。
②輻射:熱がエネルギーとなって、空間を直進移動する現象。放射ともいい、地上の物質が太陽熱によって温められるのはその代表である。逆に夜間、地上から宇宙に熱エネルギーが放射され、気温が下がる状態を放射冷却と呼ぶ。
③対流:熱が気体や液体などの流体運動によって移動すること。
温熱環境の要点まとめと概要その2
1:相対湿度とは、空気中の水蒸気量と、そのときの温度における飽和水蒸気量との比の百分率(%)で、乾球温度と湿球温度から求める。
2:不快指数は、乾球温度と湿球温度で求める蒸し暑さの指数であるが、気流・輻射熱が考慮されていない。
■不快指数の計算式
不快指数の求め方は、上記の式だけではなく、相対湿度(%)を使った次の計算式も使われる。
不快指数(T:乾球温度℃、H:相対湿度%)=0.81T+0.01H×(0.99T-14.3)+46.3
■不快指数と体感
不快指数と体感 | 日本人の体感 |
---|---|
86以上 | 我慢できない不快 |
80以上 | すべての人が不快 |
75以上 | 半数以上が不快 |
70 | 不快感始まる |
68以下 | 快適に感じる |
一般的にもよく知られた指数であるが、快不快の基準となるサンプルは示されていない。
人間の活動は、温熱環境により生産効率などに大きな影響を受ける。
体内の代謝も同様に、冬の乾燥状態では温かさを感じにくく、夏は風があったり湿度が低いと過ごしやすい。このように、湿度や気流等も快不快に大きな影響を与える。
湿度
湿度は、暑さや寒さの感覚を定量的に示す体感温度に対して影響を与える。湿度の表し方には次のものがある。
①絶対湿度:水蒸気の密度で、空気中(通常1m3)に含まれる水蒸気の質量をg/m3で表したもの。
②相対湿度:空気中の水蒸気量と、そのときの温度における飽和水蒸気量との比を百分率(%)で表したもの。乾球温度と湿球温度で求め、日常の湿度のことである。
③実効湿度:数日前からの湿度(日平均湿度)に経過時間を勘案して計算する。木材の乾燥の程度を表す指数で、実効湿度が50~60%以下になると火災の危険性が高まる。
不快指数
不快指数は、乾球温度と湿球温度で求める蒸し暑さの指数。気流・輻射熱が考慮されていないため、屋外での体感とは異なる面がある。以下の式で求める。
◆不快指数=0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6
乾湿計の種類
①アウグスト乾湿計:一般家庭でも使われている2本の温度計からなる。湿球は、気化熱のため乾球より低い温度を示し、両球の示す温度差から湿度を算出する(図)。
②アスマン通風乾湿計:アウグスト乾湿計の欠点である気流及び輻射熱の影響を受けず、実効温度・相対湿度の測定に用いる。アウグスト乾湿計と同様、2本の温度計(水銀球部に湿球布を巻き付けた湿球と、何も付けない乾球)を用いて、湿球と乾球の温度差から湿度を求める。
この他、白金測温抵抗体、気象庁形通風乾湿球湿度計等、各種の乾湿計がある。
気流の測定
屋外での機械式風速測定のほか、室内ではアルコール温度計のカタ寒暖計や微風速計が用いられてきた。最近では、気温、湿度、気流など多くの項目が測定できるマルチの計測器が使われている。
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採光・照明の要点まとめと概要
1:前方から明かりをとるときは、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度が、少なくとも30度以上であるようにする。
2:全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明の照度は局部照明の1/10以上とする。
3:室内の彩色は、眼の高さ以下の壁面を濁色にし、眼より上方の壁や天井を明るい色にする。
■重要キーワード
キーワード | 解説 |
---|---|
ルクス(lx) | ・明るさを表す単位 ・1ルクス(lx)は、1カンデラ(cd)の光源から1m離れた所でその光に直角な面が受ける明るさ。カンデラは元来、ろうそく1本の明かりとの意味合い |
採光 | ・自然光によって明るさを得ること |
照明 | ・人工光(電灯など)の光源を用い明るさを得ること |
全般照明 | ・全体を明るくする照明。所要照度が大きくない作業場で用いる ・照度は、局部照明の照度の1/10以上が望ましい |
局部照明 | ・検査作業など手元が高照度であることを要する作業場で用いる |
直接照明 | ・作業面での光の大部分が直接照明源(電灯)から来る照明 ・影や眩輝(まぶしさ)を伴い、眼疲労を起こしやすい |
間接照明 | ・天井や壁に一旦反射させた光が作業面に来る照明 ・立体感を出す場合は不向き |
彩色 | ・物に色を付けること。色取り ・眼より上方の壁や天井は照明効果の高い明るい色、眼の高さ以下の壁は安定感を出す濁色が良い |
※明度は物体面の明るさを、彩度は色の鮮やかさの度合いを表す。室内の彩色では、明度を高くすると照度を上げる効果はあるが、彩度を高くしすぎると交感神経の緊張を招きやすく、長時間にわたる場合は疲労を招きやすい。
採光とは、自然光によって明るさを得ることであり、人工光によるものが照明である。適切な採光と照明は、快適で能率の良い作業に欠かせない。
採光・照明の基本
①まぶしさ(眩輝)がないこと
前方から明かりをとるときは、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度が、少なくとも30度以上であるようにする。室内の彩色は、眼の高さ以下の壁面を濁色にし、眼より上方の壁や天井を明るい色にする。
②適度な影があること
立体感をつかみやすいのは、適度な影があることである。
③均一な明るさがあること
最大と最小の照度差は平均照度の30%以内がよい。
④作業に適した明るさ(要点まとめ参照)
照度
明るさを表す用語で、ルクスという単位が使われる。発光体そのものの明るさは、光度(カンデラ)や輝度という単位で表す。照度は光を受ける量の単位である。
事務所の照度(事務所則10条)
作業の区分 | 基準 |
一般的な事務作業 付随的な事務作業※ | 300ルクス以上 150ルクス以上 |
※文字を読み込んだり資料を細かく識別したりする必要のないもの
全般照明と局部照明
照明は、室内全体を照らす全般照明と、行為に応じて部分的に明るくする局部照明がある。局部照明だけに頼ると、作業場の照度が不均一になり、眼の疲労を起こしやすいので、全般照明を併用するとよい。全般照明の照度は、局部照明の1/10以上であるのが適切である。
照明方法の種類と特徴
①直接照明:光源(電球)から出る光が直接当たるため、強い影を作るので眼が疲れやすくなる。間接照明などと併用するとよい。工場の証明に適する。
②間接照明:光を天井や壁に反射させて照らす。柔らかい光なので、直接照明や半間接照明を併用して、適度な陰影をつけるようにするとよい。影が出にくく、グレアの少ない照明ができる。
③半間接照明:室全体が明るく、グレアが比較的少ない。学校などに適する。
④全般拡散照明:まぶしさが少なく、住宅用照明として最も普及している。
※グレア:視野に極端に明るい点や面が見えることで、「まぶしい・見にくい」と感じること。
開角と仰角
開角は室内の一点と窓の上辺を結ぶ線がその一点と隣接建物の頂点とを結ぶ線とで作る角度で5度以上。仰角は水平線と作る入射角で、28度以上必要とされる。
換気・二酸化炭素濃度の要点まとめと概要
1:必要換気量は、衛生上必要な空気量であり、二酸化炭素(CO2)濃度を基に算出する。
2:必要換気量の算出にあたっては、通常、室内二酸化炭素(CO2)濃度0.1%を基準として用いる。また、外気の二酸化炭素基準濃度を0.04%としている。
■必要換気量計算例
在室人数20人、外気CO2濃度0.04%、室内CO2濃度0.1%、呼出CO2濃度4%、1人当たりの呼気量を毎分10Lとしたとき、この部屋の必要換気量(m3/h)は、約800m3/hであり、計算式は次のとおりである。
必要換気量(m3/h)
=在室者の1時間当たりの呼出CO2量(m3/h)÷(室内CO2濃度-外気CO2濃度)
=(10L×20人×60分×0.04×0.001)÷(0.001-0.0004)
=0.48÷0.0006=800(m3/h)
※計算するときは単位をそろえる。
換気量
換気量とは1時間に室内に取り入れられる空気の量をいう。
換気目的
①必要な酸素量の供給
②在室者の汚染のばく露量の軽減
③室内汚染物の除去
④室内燃焼器具への酸素の供給
換気の方法
①自然換気:気温差による対流や風などの自然の気流による換気。窓を開けるのが一番簡便な方法ではある。
②機械換気:機械によって給気、排気して換気する。換気扇なども機械換気の一つである。
必要換気量
呼吸は、酸素(O2)を吸って二酸化炭素(CO2)を呼出するため、適正な換気が行われないと、CO2の濃度が高くなる。室内の空気を衛生的に保つため、このCO2の濃度を一定以下にするために必要な換気量の最小値が必要換気量である。
呼出するCO2の量は、労働の強度に応じて増減するので、必要換気量もこれに伴って増減する。
必要換気量の求め方
必要換気量(下段に計算式)は、CO2を基にして算出するが、部屋の種類や用途などにより異なる。
算出のCO2濃度は、室内CO2濃度:0.1%、外気のCO2濃度:0.04%を基準とする。
※事務室の空気環境の調整:空気調和設備を設けている場合は、室に供給される空気中に占める一酸化炭素の含有率は100万分の10以下(外気が汚染されているために、困難な場合は100万分の20以下)及び二酸化炭素の含有率は100万分の1,000以下であること(事務所則5条)。
■必要換気量の計算式
必要換気量=(室内にいる人が1時間に呼出するCO2量(m3/h))÷{(室内CO2基準濃度(0.1%))-(外気のCO2濃度(0.04%))} × 100
必要換気回数
必要換気回数=必要換気量÷気積(部屋の容積)
必要換気量が同じであれば、気積が大きいほど換気回数は少なくてよい。
吸気と呼気の成分
主な成分の内訳は以下のとおりである。
・吸気成分→O2が21%、CO2が0.03~0.04%、窒素(N2)が78%(大気の成分と同じ)。
・呼気成分→O2が16%、CO2が4%、N2が78%。
以上
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